ソフト闇金とは?闇金との違いや借りてしまった時の対処方法を司法書士が解説

ソフト闇金とは?闇金との違いや借りてしまった時の対処法ほうを司法書士が解説

「ソフト闇金」と呼ばれる、違法金融業者が存在します。

“ソフト”という枕詞がつきますが、闇金であることに変わりはありません。

では、ソフト闇金と闇金との違いはなんなのでしょうか?

今回の記事ではソフト闇金について、その実態や危険性、金利や業者、闇金との違いなどについて解説していきます。

また、ソフト闇金で借りてしまった場合の適切な対処法についても解説しますので、

  • 「ソフト闇金で借りてしまったかもしれない・・・」
  • 「ソフト闇金で借り入れをしてしまって法外な金利に苦しめられている・・・」
  • 「お金を借りようとしている業者が闇金かもしれない・・・」

という方は、ぜひ最後まで目を通していただき、この記事が問題解決の一助になればうれしく思います。

この記事でわかることは

  • ソフト闇金と闇金の違いとは
  • ソフト闇金と関わる危険性
  • ソフト闇金の借金をチャラにする具体的な手続き

被害にお悩みの方は、最後まで読んでいただき参考にされてください。

目次

ソフト闇金と闇金の違いとは

闇金という言葉に、法律上の定義はありませんが、出資法に違反した金利で貸付を行い、貸金業法で義務付けられている「貸金業登録」をしないで貸金業を行う違法業者を指します。

また、貸金業法に定める(取立て行為の規制)から逸脱した取り立てを行うことが知られています。

ソフト闇金と闇金との違いは、ほとんどなく、ソフト闇金と闇金は「闇金(違法な金貸業者)」であることに変わりはありません。

強いて違いをあげるとすると、顧客に対する対応がソフト闇金の方が”柔らかい”という違いでしょう。

例を挙げると、闇金の場合督促の電話で大声で恫喝するのに対して、ソフト闇金では督促の電話でも大声で恫喝するようなことはなく丁寧に支払いのお願いをするようです。

接し方が”柔らかい(丁寧)”だけで、不適当と認められる時間帯に督促の電話をかけたり、正当な理由なく債務者の勤務先や自宅に電話をかけるなど貸金業法に定める(取立て行為の規制)から逸脱した取り立てなどは行います。

ソフト闇金と呼ばれている業者であっても、違法な高金利で貸付て違法な取り立てをする点で闇金と変わりありません。

ソフト闇金は違法なの?

ソフト闇金は、いくらソフトといっても、闇金であり違法です。

具体的には、出資法の上限金利を超える金利で貸し付ける点で「出資法」に違反しており、貸金業登録をしていない点や脅迫などはないものの貸金業法に定める取り立て行為の規制を逸脱した取り立て行為がある点で「貸金業法」違反です。

「優良なソフト闇金」はあり得ない

インターネット掲示板や検索エンジンなどでは、「優良(な)ソフト闇金」などのキーワードが目立ちます。

インターネット掲示板や弊所への相談事例などから、ソフト闇金の利用者の目線で、利用者自身またはソフト闇金業者が次のような観点から「優良」と表現していると推し量ることができますが、

  • 土日でも振り込んでくれる
  • 在籍確認がない
  • 月一返済(返済が月に1回)
  • 収入証明が必要ない
  • 緊急連絡先の記載が必要ない
  • 即日融資(申し込んだその日に融資が実行される)
  • LINEで融資が完結する

闇金であることに変わりなく、ソフト闇金に「優良な金融業者」は存在し得ません。

ソフト闇金が逮捕されにくい理由

ソフト闇金が違法にも関わらず、逮捕者や検挙事例をあまり聞かないのはなぜでしょうか?

その一つの理由に、顧客に対する対応が「ソフト(柔らかい)」ことが挙げられあます。

闇金被害や詐欺被害の捜査は、被害者からの相談を端緒とすることが多く、闇金の場合は恫喝・脅迫など身体に危険を感じることがあるため、警察へ相談がしやすいのですが、ソフト闇金の場合はハードな取り立てを行わないため、警察への被害相談に至らないことが多いのです。

また、闇金の場合は1週間で倍返し(1週間で10割の利息)など超高金利ですが、ソフト闇金は1週間で2〜4割の利息が多く、法外な金利ではあるものの闇金と比べて低金利でジャンプ(利息だけの返済)や分割払いなどにも丁寧に応じるため、被害者が追い詰められて相談することが少ないことも逮捕されない(そもそも、捜査機関が捜査に至らない)理由の一つです。

ソフト闇金の危険性

ここからは、ソフト闇金と関わってしまうことの危険性について解説していきます。

「ちょっとだけなら」「取り立てが厳しくなさそうだから」と安易に近づいてしまうと、取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。

暴利により借金が膨らみ生活ができなくなる

ソフト闇金は闇金と比べて金利が低いとはいえ、違法な高金利です。

ソフト闇金の金利相場は、1週間〜10日で20%~40%となっています。

仮に10日で20%の金利だったとして、これを年利に直すと年利730%にもなります。

利息制限法の上限利率は元本によって年利15%~20%と定められており、ソフト闇金の金利は法律に定める利息の制限の30倍以上であることがわかります。

tips!!〜利息制限法の上限利率とは

利息を制限する法律には「利息制限法」と「出資法」があり、次のように定められています。出資法の上限利息は利息制限法と同じ利率です。

(利息の制限)

第一条 金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

 元本の額が十万円未満の場合 年二割

 元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分

 元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

引用:e-gov法令検索 利息制限法

(高金利の処罰)

第五条 金銭の貸付けを行う者が、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。

引用:e-gov法令検索 出資法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)

法令の原文を引用しましたが、わかりやすくまとめると次の表のようになります。

貸す金額(借りる金額)金利の上限
10万円未満年20%
10万円以上100万円未満年18%
100万円以上年15%

闇金の金利がいかに暴利であるかご理解いただけましたか?

仮に年利730%でお金を借りた場合、返済をしても元金は減ることはなく、借金は青天井に膨れ上がり、いわゆる借金地獄・火の車に陥り、生活が立ち行かなくなってしまいます。

嫌がらせを受ける

ソフト闇金は闇金のようにハードな取り立てはしないと謳っていますが、違法業者であることに変わりありません。

返済が遅れれば、嫌がらせを受けることなど容易に想像ができるでしょう。

よくある嫌がらせには、次のようなことが挙げられます

  • 職場への電話や訪問
  • 自宅や家族・友人へ督促をする
  • SNSなどに個人情報を晒す
  • 昼夜問わずの督促

信用を毀損され職を失ったり、自分だけでなく家族や友人に迷惑がかかることもあります。

※闇金業者の嫌がらせの手口についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、参考にされてください。

口座凍結の危険性

闇金からお金を借りる(お金が振り込まれる)と自身の口座が凍結される恐れもあります。

「なぜお金を借りただけで口座が凍結?」と思われるかもしれませんが、次のようなケースで口座が凍結される場合があります。

闇金業者は他の債務者(Aさん)からの返済金を、あなた(Bさん)への貸付金として、Aさんの口座→Bさんの口座へ振り込むようにAさんに指示をします。

これを「客振り」と呼びます。

客振りに巻き込まれてしまうと、当該口座は犯罪(闇金)に利用した口座をして認定されてしまい、取引停止等の措置が講じられることになります。

口座凍結されると一切引き出しができなくなってしまうため、給与振り込み口座や貯金していた口座の場合、生活が立ち行かなくなることも考えられます。

様々な犯罪に巻き込まれる可能性も

返済が遅れた場合、様々な犯罪に巻き込まれる可能性もあります。

いわゆる、闇バイトを斡旋され

  • 銀行口座の売買
  • オレオレ詐欺の「受け子」や「出し子」
  • 荷物を運ぶバイト

などの行為と引き換えに、借金をチャラにするなどと持ちかけられるケースも存在します。

これらは全て犯罪行為です。

借金を免責してくれるからと言って、手を染めて起訴されれば前科もつきますし、2度と銀行口座が作れないなどの代償を負うことになります。

ソフト闇金を借りてしまった時の対処法

では、ソフト闇金から借金をしてしまった場合、どのように対応すれば良いのでしょうか?

返済をしていても借金は膨らみ、返済が遅れることになればさらにその借金は雪だるま式に増えていきます。

また、返済が遅れることで、嫌がらせを受けたり、さらには最悪の場合、知らない間に犯罪に加担してしまう可能性もあります。

最後にソフト闇金を借りてしまった場合の適切な対処法について解説していきます。

業者のペースに飲み込まれないこと

闇金業者は相手の弱みにつけこみ、高利でお金を貸付、顧客をコントロール下に支配した上で、可能な限り長い期間にわたって利息を取り続けた上で、お金が取れないと判断したら、銀行口座の売るなどの犯罪行為に利用します。

利用できるだけ利用しようと考えています。

相手のペースに飲み込まれずに関係を断ち切ることが最も重要です。

闇金は「貸金業法」、「利息制限法」、「出資法」などの複数の法律に違反しており、少なくとも闇金からの債務者は次のことが主張できます。

上限金利を超えて借入の約束をしても、契約は無効だから利息は一切支払わない

さらに貸金業者に必要な貸金業登録をおこなわず違法な金利で貸しつけているとなれば、民法708条の「不法原因給付」に該当します。

コトバのカイセツ=不法原因給付とは=

民法第708条では次のような条文があります。

第708条(不法原因給付)

不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

引用:https://ja.wikibooks.org/wiki/民法第708条

つまり、違法な金利で貸付(不法な原因のために給付)をした闇金業者は貸したお金の返済を請求できません。

これを不法原因給付と読んでいます。

不法な手段で貸し付けたお金を「返しなさい」と請求することはできません。

最高裁でも闇金への借金を返済する必要はなく、過去に支払った元金や利子も損害として取り返せるという判例も出ています。

tips!!〜元本返済の最高裁判例

闇金から借りた借金は、利息分だけではなく支払った元本についても返済義務がなく、さらに「支払った金額と利息分を損害として請求ができる」との判断が最高裁で下されています。

詳細は「金融庁:ヤミ金融業者に係る最高裁判決の概要について」にも詳しく書かれていますので、興味のある方は、参考にされてください。

嫌がらせがあれば警察に相談を

しかし、「返さない」といえば、あの手この手を講じてくるのが闇金です。

ソフト闇金の危険性でも書きましたが、様々な嫌がらせが想定されます。

万が一、身の危険を感じるような言動があれば、躊躇なく警察に相談をしてください。

警察に相談する場合は、可能であればボイスレコーダーや電話やメール・LINEなどの記録、難しければ身の危険を感じるような言動や被害にあった日時や内容などの状況証拠だけでも準備しておくと、警察での相談もスムーズになりやすいです。

一番良いのは闇金を専門で取り扱う司法書士・弁護士に対応を依頼すること

とはいえ、闇金業者も取り立てにはなれており、警察が事件にしない程度のギリギリの取り立てや嫌がらせをおこなります。

ソフト闇金となれば、尚更その傾向にあります。

闇金との関係をすぐにでも断ちたい場合は、闇金を専門で取り扱う弁護士や司法書士に相談することが一番の解決方法です。

「弁護士や司法書士に相談してもムダ」などと捲し立ててきますが、闇金業者は違法行為をおこなっているため、弁護士や司法書士が乗りだしてくるとすぐに手を引く傾向があります。

昨今では、受任通知を送達するまでもなく電話だけで手を引く場合もあります。

闇金業者と関わってしまった場合は、すぐに弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。

の取り組み

アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人では、創業当初から闇金問題に取り組んできました。

闇金からの嫌がらせの解決や利息の返金交渉などに対する多くのノウハウを持っています。

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まとめ

「ソフト闇金」について解説をしてきました。

ソフトという言葉を利用して、利用しやすい印象を与えますが、違法な闇金業者であることには変わりありません。

闇金業者から借金をしてしまった場合、その高い利息と過酷な取りたてなどから精神的に追いこまれ、人生が台無しになる可能性があります。

生活がめちゃめちゃになる前に、できるだけ早い段階で司法書士に相談しましょう。

専門家である司法書士の力を借りれば、闇金との交渉や債務整理など適切な措置をしてくれます。

アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人では、闇金に悩むあなたの明るい未来を応援する取り組みをしています。

お気軽にご相談ください。

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