消滅時効の援用をしたときの信用情報は?事故情報を解除するための手段を解説

借金をして時効になったとき、債権者に対して支払わない意思表示をする消滅時効の援用があります。

時効になったとしても、意思表示をしないと時効が成立していない場合があるのです。

しかし、金銭を借りる審査に通りづらくなる事故情報に登録される”個人信用情報機関”によっては、消滅時効の援用の効果がないこともあるため注意が必要です。

不利な事故情報を信用情報から解除するためにはどのようにするのか、消滅時効の援用の対応などについて説明していきますので、確認してみてください。

この記事でわかることは?

  • 消滅時効の援用をした場合の信用情報機関の取り扱いについて
  • 消滅時効の援用の信用情報の取り扱いについて司法書士などの専門家に依頼できること
  • 消滅時効の援用の仕組みや手続き全般について

消滅時効の援用をお考えの方の参考になれば幸いです。

目次

消滅時効の援用をした場合の信用情報

消滅時効の援用とは、借りた相手である債権者に対して時効であるため支払わないとの意思表示をすることを意味します。

借金の時効は、金融機関などの場合は最終の取引日から5年で、個人とのやり取りなど金融機関以外での契約の場合は10年です。

しかし、意思表示をしなければ、時効が成立していない可能性があります。

意思表示の通知を実施し、時効要件を満たして入れば時効が成立です。

消滅時効の援用をしたとき、個人信用情報機関の登録されている事故情報も基本的には情報からは削除がされます。

しかし、機関によって異動情報が載っている場合などは、情報の記録が残っている可能性があるのです。

借金の消滅時効を援用する手段

借金の返済義務を無くすには、時効のため支払わないと意思表示をする消滅時効の援用が必要です。

意思表示の方法は、電話による口頭での意思表示内容証明郵便など記録に残る方法で書面を郵送する方法があります。

方法によってはトラブルになった際に、対処に困る恐れがあります。

消滅時効を援用する有効な方法と、起こりがちなトラブルについても解説していきます。

内容証明郵便による意思表示

借金の消滅時効の援用に有効な、手軽であり効果的な手段は、消滅時効援用通知書を配達証明付きの内容証明郵便で送付をする、書面による意思表示です。

内容証明郵便は、差出人や宛先だけでなく、差出日と内容などを日本郵便が証明をしてくれる郵便物を意味します。

意思表示をした証明として残るため、伝達トラブルによる対処がしやすくなります。

しかし、内容証明郵便の謄本は、書式のルールに沿って記載が必要です。

消滅時効援用通知書の送付で重要事項の記載がないと、意思表示として認められない恐れもあります。

※消滅時効の援用の意思表示をするための内容証明郵便の書き方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

自分での対応が心配な場合には、専門家である司法書士に相談するのも良いです。

訴訟されたとき消滅時効の援用を主張

債権者から借金返済の訴訟を提起される場合があります。

そのときの消滅時効の援用の手段は、”裁判所に提出する答弁書に消滅時効の援用を主張する旨を記載すること”による意思の表示方法になります。

答弁書における時効の援用で必要な記載事項は、

  • 「時効の起算点」
  • 「時効期間の経過」
  • 「時効援用の意思表示」

の3点です。

それぞれ、

  • いつ債権者から借入をしたかの起点
  • 権利を行使できる期間の経過
  • 借入について消滅時効を援用の意思の表示

を意味します。

債権者が時効完成に対して反論してくる可能性があるため、司法書士などの専門家に相談して法的に対処できるようにしましょう。

個人信用情報機関に事故情報として登録される期間

個人信用情報機関に事故情報として登録されるのは、借金に関する事故が発生がした場合です。

事故情報に登録をされると金融機関からの融資やクレジットカードの利用などが認められるか判断する与信審査に通りずらくなる可能性が高まります。

どのような事由・期間によって事故登録されるのか、見ていきましょう。

債務の滞納

個人信用機関には、

の3つがあります。

この3つの個人信用機関で、債務支払い滞納したときに共通する事故情報の登録期間は、滞納を解消してから5年です。

ちなみに、債務支払いでの滞納で事故情報に該当するのは、支払期日から2ヶ月または3ヶ月ほど遅れた場合になります。

債務整理

債務整理をした場合も事故情報に該当し、種類が3つあります。

  • 任意整理で3つの個人信用機関で共通して5年です。
  • 個人再生でJICCとCICが5年で、KSCでは10年とされています。
  • 自己破産も個人再生の個人信用機関と同様の年数です。

債務整理の種類によって個人信用機関で事故情報として登録されている期間が異なるため、気を付ける必要があります。

保証会社の代位弁済

借金を代わりに支払う代位弁済をするとき、事故情報として登録されます。

銀行のカードローンを利用するときには、カード会社に対して保証会社がついており、延滞など債務不履行が発生したときには保証会社などがカード会社に対して代位弁済をする場合があります。

代位弁済をしてもらったときには、個人信用機関の3つに共通して5年間事故情報が登録されます。

登録期間が過ぎてもデータベース上からすべて抹消されるとは限らないため、注意しておきましょう。

消滅時効の援用の手続きによる個人信用情報機関の事故情報

消滅時効の援用の手続きをしても、事故情報が完全に消滅されない個人信用情報期間があります。

また、個人信用情報機関によって対応の仕方も変わってくるので確認が必要です。

JICCとCIC、KSCの3つで事故情報の取り扱いについてどのような違いがあるのか解説していきます。

JICCの消滅時効の援用の登録で事故情報が削除

株式会社日本信用情報機構(JICC)に登録された借金関連の事故情報は、消滅時効が完成した後に時効の援用をされたとき、時効の起算日に遡って削除されます。

しかし、JICCと消滅時効の援用が無関係な場合があります。

該当するのは債権回収会社に債権譲渡されているときです。

債権回収会社に債権譲渡されたタイミングでJICCに事故情報が登録がされ、債権譲渡されてから1年で事故情報は削除されます。

1年以上経過しているならば、JICCに記載がなくなるため消滅時効の援用との関係がなくなります。

また、債権譲渡されてから1年以内に消滅時効の援用をしても、債権回収会社と信用情報を登録した会社が異なり、信用情報は影響を受けません。

CICの消滅時効の援用の登録をしても事故情報が残る

株式会社シー・アイ・シー(CIC)に登録された場合の事故情報は、消滅時効の援用がされたとしても事故情報が綺麗に抹消されるとは限りません。

時効の援用によって事故情報は「訂正」が実施され、時効が成立時点での借金の残高が0で終了状況が「完了」になります。

また、該当する情報の保有期限が5年後の日付に訂正がされ、期限になったときには自動的に情報が削除されます。

債権回収会社に債権譲渡されているときにはCICの終了状況が「完了」に登録、保有期限が5年後の日付に訂正となるので注意が必要です。

シー・アイ・シー(CIC)の場合、5年後が削除の原則となりますが、なかには訂正でなく削除されている事例もあるので覚えておくと良いでしょう。

KSCの消滅時効の援用の登録して事故情報は代位弁済の時点が基準

全国銀行個人信用情報センター(KSC)の事故情報が登録されるときは、主に銀行のカードローンを滞納している場合です。

銀行のカードローンで滞納が発生した時点から、保証会社が代位弁済を実施します。

KSCでは代位弁済の時点で、事故情報が登録されるケースが多いです。

代位弁済の事故情報の扱いは、消滅時効の援用をしたとしても修正されません。

登録期間の5年間を過ぎるまで事故情報が抹消されないです。

5年を過ぎたあとに消滅時効の援用をしても、KSCの信用情報には削除されて記載はありません。

消滅時効が阻止されるケース

次に挙げる自由によって、事由によって消滅時効が阻止されているケースがあります。

この場合、当然個人信用機関の事故情報は更新されません。

消滅時効の阻止には完成猶予の発生期間がリセットされている場合があるのでそれぞれ確認が必要です。

消滅時効が阻止される事由について、それぞれ詳しく解説します。

消滅時効が更新される事由が発生したとき

「時効の更新」とは、更新される事由が発生した時、進んでいた時効の期間がリセットされてゼロからカウントし直すことをいいます。

この時効の更新は、改正民法が施行された2020年4月1日を境に取り扱いが異なりますが、

2020年4月1日以降の場合、裁判上の請求や支払督促、倒産手続きなどの手続きを実施した後、権利が確定したときに時効は更新されます。

また、強制執行や競売、第三者から情報取得手続きなどが終了したときも消滅時効が更新される事由に含まれます。

消滅時効の完成猶予の事由が発生したとき

「時効の完成猶予」とは、時効期間の経過を一時的に停止することを言います。

消滅時効の完成猶予の事由が発生した場合も消滅時効の阻止に該当し、時効が更新されたときと同様で請求や支払督促、和解と調停、倒産手続きが「時効の完成猶予」の対象です。

他にも強制執行や担保権の実行と競売、内容証明郵便など履行の催告があったときについても「時効の完成猶予」の対象となります。

「時効の更新」と「時効の完成猶予」の事由が発生したとき、どちらの対象になるのか確認をする必要があります。

「時効期間の経過を一時的に停止すること」と「進んでいた時効の期間がリセットされてゼロからカウントし直す」のでは、借金が無くなるタイミングが大きく異なる場合があるため、消滅時効の阻止事由があったとき状況を把握することが非常に重要です。

消滅時効の援用の信用情報について司法書士に相談をするメリット

抱えている借金が時効を迎えていた場合、債権者に対して消滅時効を援用したい旨を自分で伝えることもできます。

しかし、書類の不備や、事故情報が削除されないなど、不明な点があったとき対処するのは大変です。

また、時効の完成猶予が発生して、実は時効が完成していなかったり、消滅時効がどこかのタイミングで更新されてしまっている可能性もあります。

借金の専門家である司法書士に相談をしておくと、問題解決に役立つ利点があります。

の取り組み

アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人は、借金問題を創業当時から取り扱い、様々な問題を解決してきました。

個々の様々なケースに最適な答えを持っています。

無料相談を常時、実施しております。

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書類整理などサポート

消滅時効の援用で有効的な内容証明郵便などの書類や、債務者から訴訟を起こされたとき、知識があっても一人では対応が難しいケースがあります。

対応のための時間がかかり、本人の負担は大きいです。

しかし、消滅時効の援用に対応してきた司法書士にサポートを依頼すれば、負担の軽減だけでなく、トラブルや訴訟のときにも対処がしやすくなります。

また、書類のチェックなど人為的なミスの減少にも役立つでしょう。

消滅時効の援用のアドバイス

消滅時効の援用をするか悩んだときや不明点があるとき、専門家の司法書士からアドバイスが貰えるのは大きなメリットになります。

司法書士のなかで、解決をしてきた実績があると問題があったときの対処や、必要な書類などスムーズに借金をなくすための行動がしやすいです。

借金が発生したとき、借金の返済義務を無くすための行動で、消滅時効の援用など分からず対応が遅れてしまうならば、相談から始めてみるのも良いでしょう。

まとめ

借金を支払ったと意思表示をする消滅時効の援用は、債権者とのトラブルを防ぐための手段です。

書類の記載や事故情報の確認など、知らずに行動をしてしまうとミスをする原因になります。

対応に困っているときには、消滅時効の援用の実績を持つ司法書士に相談がおすすめです。

依頼をするかの判断材料にもなるので、検討してみてください。

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