「自分の名義ではお金を借りられないから名義だけ貸してほしい」と言われても、貸してはいけません。
名義貸しの重大さを理解せず、軽い気持ちで了承してしまう人が多いでしょう。
しかし、名義貸しをすると、借りていないのに自分が借金をして返済しなければなりません。
本記事では、名義貸しの危険性や実際に問題が起きた際の対処法を紹介します。
トラブルに巻き込まれないために、名前を貸すリスクを理解しておきましょう。
この記事でわかることは?
- 借金の名義貸しの具体的なリスク
- 借金の名義貸しをしてしまう理由としないための方法
- 万が一、借金の名義貸しをしてしまった時の対処方法
知っていれば怖くありません。
借金でお困りの方の参考になれば幸いです。
名義貸しによるリスクと起こり得る問題
名義貸しをしてしまうとリスクが大きく、その後に起こりえる問題が甚大です。
返済義務を果たすだけではなく、罪に問われたり損害賠償を請求されたりします。
名義を貸しをしただけで受ける問題を詳しく解説するので、参考にしてみてください。
借金の返済義務が自分にのしかかる
人に名義を貸した場合、基本的に貸した相手が借りたお金の返済義務は自分に降りかかります。
知らない間に身に覚えのない借金を背負わされていて、気が付いた時には利息が膨れ上がって返せない状況になっているケースが多いです。
滞納すると電話や書面での督促がきたり、不動産や預金を差し押さえられたりする場合があります。
さらに社会的信用を失ってブラックリストに載り、クレジットカードの発行やカードローンの審査にほとんど通りません。
いくら自分がお金を借りた本人でないとはいえ、貸主は名義人に貸したことになっています。
罪に問われる可能性がある
名義貸しは、たとえ本人に悪気がなかったとしても犯罪として扱われるケースがあります。
注意すべきなのは、「名義を偽って借り入れをしてお金を引き出す=貸主を騙している」という点です。
通報されたり訴訟を起こされたりすると、詐欺罪として容疑をかけられます。
名義を貸した相手が罪に問われると、詐欺行為を援助したとして名義を貸した人も同様に扱われる可能性があるからです。
また、名義を貸したことによって発生したお金が犯罪グループの手に渡って利用されれば、その犯罪に加担したことになります。
知らない間に犯罪に手を貸してしまい、後から気が付くケースが多いのが現状です。
損害賠償を請求されることがある
名義を貸した相手が不正な借り入れをしたのが貸主に明らかになった場合、相手方に訴えられる可能性があります。
理由は契約締結の前提として、多くの場合は「契約者本人が取引すること」が条件となっているからです。
そのため、他人名義で借金をすると契約違反になります。
貸主に損害を与えたと認められた場合、名義を貸した人も合わせて責任を問われるでしょう。
損害賠償の金額は様々ですが、相手に与えた損害の大きさによっては払いきれないほど膨れ上がります。
借金のために名義貸しをしてしまう理由
自分にメリットが何もないのにも関わらず、どうして他人に名義を貸してしまう人がいるのでしょうか。
名義貸しをしてしまう背景には、様々なケースが考えられます。
背景を知ることで、最悪な状況に陥らないために何に注意すべきなのかがを理解できるでしょう。
借金のために名義貸しをしてしまう理由を紹介します。
家族や友人に頼まれると断れないから
知り合いから名義を貸してほしいとお願いされると、断り切れずに言う通りにしてしまうものです。
中でも家族や付き合いの長い友人など、相手との関係性が深ければ深いほど、よく考えもせずに決断してしまうケースが多くあります。
「助けてあげたい」という情に流されて、正常な判断ができないからです。
さらに、名義貸しに複雑な手続きがないため、軽い気持ちで嘲笑してしまうケースがあります。
手続きは契約書にサインをしたり、判子を押したりするだけです。
「こんなことで力になれるなら」という心理が働いて、結果的に名義を貸してしまいます。
都合の良い話に飛びついてしまうから
都合の良い話につられてしまい、借金の名義を貸してしまうケースがあります。
「銀行口座を貸してくれるだけで100万円」といった話をして、名義を貸しても損をしないと考えるでしょう。
むしろ得だと考えてしまい、借金の返済が不要といったありもしない話すら疑わず、都合の良い売り文句に騙されてしまうケースが多くあります。
騙されてしまう人の大多数はお金に切羽詰まった状況なので、早く何とかしなければいけない焦りから、話の怪しさに瞬時に気がつけません。
特にSNSの普及により、誰でも気軽に知らない人と繋がれる世の中になり、高校生や大学生等の知識の浅い若年層が狙われやすい傾向にあります。
目先のお金に目がくらんで深く考えずに名義貸しを行ってしまうと、思わぬトラブルに見舞われてしまうので気を付けてください。
名義貸しにはみえない手口を使ってくるから
普通のアルバイト募集のように見えても、蓋を開けてみれば名義貸しだったというケースはよくあることです。
「会員登録するだけで数万円」という売り文句で個人情報を引き出して、口座などを悪用する手口があります。
他にも「携帯電話や銀行口座を代わりに契約するだけ」と謳ったアルバイトも、数多く見受けられるので注意が必要です。
借金というワードを使わずにアルバイトという名目で近づいてくることで、違法業者と気付く人が少ないでしょう。
業者の中には犯罪集団と繋がっている者も多く、捕まってから自分の情報が使われていたと発覚する場合もあります。
名義貸しをしないために必要なこと
名義を貸してトラブルに巻き込まれないためには、具体的にはどのようなことが必要なのでしょうか。
実際に名義貸しをしてしまってからでは、取り返しのつかない事態に陥ることも多くあります。
大切なのは名義を貸さないために、気を付けるべきポイントを押さえることです。
名義貸しをしないために必要なことを、詳しく解説していきます。
身内に頼まれても断る勇気を持つ
家族や友人がお金に困っていた場合、相談を持ちかけられると助けてあげたくなるものです。
しかし、お金が借りられるように名義を貸すと、返済まで負担するリスクを伴います。
名義貸しをきっかけに連絡が取れなくなったり、信頼関係が崩れたりするケースが多いです。
自分名義では借金できない身内に「名義を貸してくれないか」と言われても、きちんと断る勇気を持つようにしましょう。
一緒に状況を打破するための策を考えてあげたり、専門家への相談を促したりするのが効果的です。
どうしてもすぐに対処が必要な場合も、名義を貸して借金をさせるのではなく現金で貸すようにしましょう。
正しい知識を身に付ける
軽い気持ちで名義貸しをしてしまうのは、リスクや対処方法に関する知識を身に付けていないからです。
正しい知識を持っていれば、どんな理由があっても名義貸しをしないでトラブルを未然に防げます。
名義を貸してしまうとどういう事態に陥るかを念頭に置くことで、いざという時に正しい道を選択できるのです。
名義を貸してしまった時の対処方法
人に名義を貸してしまったら、具体的にどのように対処すればいいのでしょうか。
まだ大きなトラブルになっていない状態でも、利息はどんどん増えていくので放置するのは危険です。
ここでは、実際にトラブルに見舞われた際に頼れる相談先も紹介していきます。
名義を貸した人に返済してもらう
名義を貸した相手と連絡が取れるのであれば、一刻も早く完済してもらうように伝えるべきでしょう。
支払いが滞った状態が続けば、名義人の社会的信用がどんどん失われます。
最悪の場合ブラックリストに載り、最悪の場合クレジットカードやローンの審査に影響が出る可能性があるので、一刻も早く対処が必要です。
完済する約束を取り付けた際は口頭でのやり取りではなく、書面に起こしてサインや判子をもらうことをおすすめします。
約束をうやむやにして認識のすれ違いを防ぐため、かつ借金をより確実に返してもらうために必要なことです。
万が一約束を破られたり連絡が取れなくなったりしても、自分の正当性を主張する重要な手掛かりとなり得ます。
弁護士に相談する
実際に貸主から損害賠償請求などをされた際は、弁護士に相談するのも1つの方法です。
万が一裁判となった場合は、自力で対処しきれない手続きや業務が多くあります。
取り返しのつかない事態になる前に、早めに相談するようにしましょう。
ただし、最初の相談は安価でも着手金だけで莫大な金額が請求されることがあるので、費用については注意が必要です。
司法書士に相談する
名義貸しによってトラブルに巻き込まれた際、頼りになるのは司法書士です。
借金の名義人になった以上、支払いからは逃れられません。
利息が膨れ上がり支払いが難しくなってしまった場合、債務整理が必要です。
司法書士に相談すれば、延滞したり資産が差し押さえられたりする前に、相手方と交渉して返済額を減額できる可能性があります。
また、相手方とやり取りする際に、当事者同士では冷静な議論ができない場合があるでしょう。
そのため、司法書士に間に立ってもらうことも重要です。
司法書士がいれば、督促状の処理や電話対応など、幅広い業務を行ってくれます。
費用に関しても柔軟に対応できますので、困ったときは早めに司法書士へ相談すると良いでしょう。
の取り組み
アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人は、借金問題を創業当時から取り扱い、様々な問題を解決してきました。
個々の様々なケースに最適な答えを持っています。
無料相談を常時、実施しております。
借金問題の無料相談の予約はこちらから
まとめ
借金のための名義貸しは、軽い気持ちで行うと取り返しのつかない事態に陥ります。
注意すべき点は、今までお金に困ったことのなかった人でも一気に借金まみれになってしまう可能性があるということです。
名義貸しのお願いが来た場合、どんな理由があっても貸さないようにしましょう。
万が一名義貸しによるトラブルに巻き込まれた場合は、一刻も早く司法書士などの専門家に相談してください。