不要になったデバイスやゲーム機などを撮影し、画像で査定が行われ代金がすぐに振り込んでもらえる先払い買取サービスがあります。
急に現金が必要になった人にとって、このような便利なサービスを求めている人もいるでしょう。
しかし、便利な一面もありますが、闇金業者が運営している危険性があります。
この記事では、先払い買取は闇金なのかに焦点を当てて、現金化の違法性や利用するリスクについて解説します。
先払い買取の仕組み
先払い買取とは、スマホやゲーム機にブランド品・商品券などを撮影し、画像を送ると代金が振り込まれるサービスです。
借金をしたくない・できない人でも現金が手に入るサービスで、給与ファクタリングやツケ払い現金化と同じ業態です。
■先払い買取の仕組みは以下の流れになります。
買取希望やゲーム機など、高額な人気商品を買い取ると謳う業者が多く、LINE登録をすると早く登録ができる
カードローンのように審査もなく、多重債務状態の方でも担保なしで利用できます。
商品を送る代わりに無理やりキャンセルさせたり、クレームを入れて高額なキャンセル料を払わせたりする仕組みです。
闇金の定義
貸金業として正規の許可を得ず、出資法上の上限金利規制を無視して、法外な金利でお金を貸し付ける違法な金融業者を闇金といいます。
貸金業者は、利息を年率で表記することが法律で義務付けられているため、それ以外の利息を表記していても闇金です。
最近は手口が巧妙化し、闇金とはわからない業者が増えています。
例えばSNSの投稿内容から「お金に困っている」と判断すると、「即日融資します」などのメッセージを送ってきます。
このような業者は、ランダムにDMやメッセージを送りつけているため、心当たりある人は反応せずに無視してください。
一方的な勧誘は闇金の手口で、少しでも反応すると何度もメッセージを送りつけてきます。
先払い買取が闇金である3つの理由
先払い買取は、買取の名目でお金を貸してキャンセルさせ、違約金として利息を払わせる仕組みです。
即日現金や、金融ブラックでも利用できるなどの言葉に騙されてはいけません。
やっていることは、闇金と同じ違法行為です。
消費者庁・金融庁でも「先払い買取はヤミ金融からの借金と同じである」と注意を呼びかけています。
先払い買取がなぜ闇金なのか、3つの理由を見ていきましょう。
事実上の融資にあたるから
先払い買取は、査定金額と称して利用者の口座に振り込まれます。
商品の売買が成立していないにもかかわらずお金を振り込むのは、利用者が商品画像を送付することで審査が行われ、融資するのと同じです。
先払い買取で支払うのは利用者に貸したお金になり、キャンセル料は利息にあたります。
融資を行うには貸金業登録が必要になり、出資法上の上限金利規制を守った利息でなければいけません。
つまり、先払い買取は買取業にあたり、貸金業の登録をしていないため無登録営業という犯罪です。
また、先払い買取は銀行やカードローンが組める一般の人を相手にするのでなく、多重債務でお金が借りられない人をターゲットにしています。
利息が高くても現金を必要とする人を狙うのは、危険な闇金と同じです。
高額な利子の返済を要求されるから
本当の買取は商品と金銭の取り引きですが、先払い買取はキャンセル料として違法な高金利を支払わせます。
利息制限法では、10万円未満の上限利率は年利20%と決められていますが、キャンセル料を査定金額の40%に設定するなど悪質です。
例えば以下のように、人気のゲーム機をソフト付きで買取に出したとしましょう。
- ゲーム機を写真に撮影し査定した
- 査定金額は3万円
- 入金確認後、1週間か10日以内に商品を発送
- キャンセル料は査定金額の30%である
査定が終わると、登録した口座に即日お金が振り込まれます。
商品を送っても「届いていない」「破損していた」などの理由で、利用者にキャンセルさせられます。
キャンセルから約1週間後までに、査定額として振り込んだ3万円にキャンセル料の9千円を上乗せした、3万9千円を請求するわけです。
このキャンセル料が利子にあたり、支払いが遅れると催促や嫌がらせの電話をかけてくるなど、迷惑行為に発展します。
先払い買取は違法なのか?
査定後に代金を支払い、発送された商品を受けとって取引を完了する仕組み自体は違法ではありません。
適法買取している業者がいる一方で、闇金のようなシステムで利息を巻き上げている危険な業者も存在します。
違法な利息を搾取している危険な業者は、摘発逃れのために適法な会社を買い取り、表向きは買取専門に見せかけています。
ネット上では違法行為をしているような記載をしないため、どの業者が危険であるかを見分けるのは難しいでしょう。
ここでは貸金業法違反と出資法違反に沿って、先払い買取の違法性について解説します。
貸金業登録をしていないのは違法
貸付をする場合は貸金業法が適用されるため、都道府県や財務局へ貸金業者申請を行い登録しなければなりません。
実際には登録をせずに高額な金利を要求すると、貸金業法違反になります。
悪質な先払い買取業者は無登録営業であることは違法と知りながらやっています。
闇金と同じで、利用すると過酷な取り立てや嫌がらせを始めるため注意が必要です。
貸金業法で定められている無登録営業への罰則は「10年以下の懲役または3,000万円以下の罰金」です。
高額なキャンセル料の請求に対して個人で解決するのは困難で、対応すると取り立てが悪化しやすくなります。
先払い買取の金利は出資法違反
お金を貸す商売には、利息制限法や出資法が適用されます。
一般的にカードローンなどは毎月1回の返済ですが、先払い買取は1週間ごとに返済しなければなりません。
出資法の上限金利は年利20%が限度であり、週に40%の金利は出資法上の上限金利規制法違反です。
先払い買取を利用するリスクとは?
危険な先払い買取と知らずに利用してしまうと、さまざまなリスクが生じます。
見分けることは難しいため、安易な気持ちで登録して利用しないようにしましょう。
闇金業者に脅迫される
無理やりキャンセルさせられて、1週間後には高額なキャンセル料を上乗せして支払いをするよう迫られます。
支払いができない利用者には、度重なる電話やメールによる取り立てが始まります。
悪質な業者は手段を選ばないため、自宅や職場にまで催促にくるなど、脅迫まがいの行為にも及ぶ可能性もあるでしょう。
脅迫は違法行為ですが、法律を守るつもりがない闇金には関係ありません。
支払う約束をするか入金するまで、何度も脅迫行為を繰り返すでしょう。
命の危険を感じたら警察に相談したり、弁護士または司法書士に依頼して解決してください。
の取り組み
アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人では、創業当初から闇金問題に取り組んできました。
闇金からの嫌がらせの解決や利息の返金交渉などに対する多くのノウハウを持っています。
闇金問題の無料相談を常時、実施しております。
闇金無料相談の予約はこちらから
高額なキャンセル料を支払えなくなる
先払い買取では、キャンセル料が高額に設定されています。
買取金額にプラスして支払いを要求されますが、お金に困っている人は容易に払えません。
キャンセル料の設定は業者によって異なりますが、50%近くの請求が来るため利用者は支払えなくなります。
個人情報が漏洩する
無理やり滞納させ、高額なキャンセル料を要求するだけでなく、抜き取った個人情報を他の違法業者に売られてしまうこともあります。
知らない業者からメッセージが届く、危険な闇バイトから勧誘されやすくなるなど、トラブルに巻き込まれる可能性があるからです。
危険な先払い買取では、緊急連絡先として会社や自宅の住所に電話番号まで登録させます。
多重債務になったら債務整理をする
お金の悩みは人に相談できないため、複数の金融機関で借金を繰り返すと返済が困難になります。
このような多重債務は、早めの債務整理で解説しましょう。
多重債務とは?
借金返済のために、他の金融業者から繰り返し借入をしたことで利息が増え、返済が困難な状態を多重債務と呼びます。
「払えないから借りる」を繰り返すと、借金は減るどころか増えていき、生活が苦しくなるでしょう。
家族にも友人にも相談できずに悩み、即金が手に入る先払い買取から借りてしまう人もいますが、闇金まがいの取り立てがあり危険です。
早期に多重債務の危険性を理解し、解決のために弁護士や司法書士に相談しましょう。
債務整理とは?
多重債務の状態になると、個人で返済計画を考えて解決するのが難しくなります。
債務整理は、法律知識のある弁護士や司法書士を介して、現状の借金問題を解決できる方法です。
借金件数や金額、利用者の状況に応じて、任意整理・個人再生・自己破産から選び手続きを行います。
債務者の代理として、弁護士や司法書士や金融会社と話し合いをして借金問題を解決します。
先払い買取トラブルについても、支払いの免除や嫌がらせ行為が止まるなど、問題解決につながるのが強みです。
まとめ
先払い買取の仕組みには問題はありませんが、高額なキャンセル料を請求するのは闇金と同じ違法行為です。
多重債務で支払いができなくなったら、危険な先払い買取を利用せずに債務整理を検討しましょう。
イーライフ司法書士法人は、債務整理や先払い買取トラブルなどの、幅広い業務に精通しています。
多重債務で悩んでいるなら、ぜひ一度ご相談してください。