債務整理を検討している人の中には、家賃の滞納分が溜まって困っている人もいるでしょう。
返済しきれない借金を抱えているということは、月々の家賃も溜めてしまっている可能性があります。
債務整理をすると、家賃を滞納していた分はどうなるのでしょうか。
債務整理の対象になるのか否かや、その後の家賃の扱いについて正しい知識を身に付けている人はあまりいません。
本記事は、債務整理をすると家賃はどうなるのかを解説しながら、注意すべきポイントや頼れる相談先を紹介します。
この記事でわかることは?
- 滞納した家賃は債務整理の対象になる?
- 滞納した家賃を債務整理するとどうなる?
- 滞納した家賃を放置した結果・・・
- 滞納家賃の支払いに困った時の頼れる相談先
知っていれば怖くありません。
家賃の滞納にお困りの方の参考になれば幸いです。
家賃を滞納したまま債務整理をしたらどうなるか
債務整理をしたら滞納してしまった家賃がどうなるのかは、債務整理の種類によって異なります。
一重に債務整理と括っても方法が大きく分けて3種類あるので、一言でまとめることができません。
今回は債務整理の手続き別に、家賃を滞納したままだとどうなるかを解説します。
任意整理→家賃以外の返済額が減る
任意整理とは債権者と交渉して利息や遅延損害金をカットしてもらう仕組みのことです。
家賃を任意整理の対象に含めるのかは債務者側で判断することができます。
家賃には元々利息がないので、カットしてもらうものがほとんどありません。
家賃以外に借入金がある場合は、まずはそれを任意整理するのが適切です。
家賃を任意整理したい場合は分割交渉する流れとなります。
大家さんによって受け入れてくれるか否かが分かれるところなので、連絡は真摯に対応し、誠意をもって接するよう努力しましょう。
個人再生→滞納分が減額される
個人再生とは、裁判所に申し立てをして借金自体を減額してもらう措置です。
任意整理とは異なり、対象とする債権者を選択できないため、家賃を除いて他の借入金のみを個人再生することはできません。
滞納分の家賃を含めた全ての負債を裁判所に提出し、認可されれば「再生計画」に基づいて減額された借金を返していくことになります。
他の借入金とあわせて返済額は最大で10分の1にできる可能性があるので、成功すれば家賃滞納分はほぼ確実に減額されるといっていいでしょう。
自己破産→滞納分の支払い義務が消滅する
自己破産とは、どうしても借金返済の見通しが立たない場合に、裁判所に申し立てをして借金の返済義務をなくしてもらう手続きです。
個人再生同様、債務整理の対象は抱えているすべての負債なので、滞納分の家賃を含めて全ての借金の返済義務をなしにできる可能性があります。
ただ、社会的信用を失い、その後10年はクレジットカードの新規契約ができないなどのデメリットは頭においておきましょう。
自己破産は、任意整理や個人再生を検討して、難しいと判断した後に踏み切るべき措置だといえます。
家賃を何度も滞納して、他の借金とあわせて返済の見通しが立たなくなったという人にも、再スタートが切れる仕組みがあることを知っておくだけで、心の安心に繋がるでしょう。
家賃を債務整理する際の注意点
滞納分の家賃は債務整理の対象にできますが、あくまで可能なのは「法律の範囲で」という点に注意が必要です。
実際に債務整理を実施するとなると、現実的な問題に直面する場合があります。
今回は家賃を債務整理する際に、どのようなことを頭に入れておくべきかをみていきましょう。
住み続けられるかどうかは別問題
たとえ個人再生で滞納分の家賃の支払いが減額されたり、自己破産で支払い義務が消滅したりしたとしても、今までと変わらず住み続けられるかどうかは別の話です。
大家さんの立場になって考えてみれば、理由は容易に想像できるでしょう。
いくら合法的な措置とはいえ、決まった家賃を支払わずに滞納し、滞納分も減額されたりなかったことにしたりする人を引き続き住まわせたいと思うでしょうか。
賃貸住宅に住んでいる以上、大家さんの所有物を貸してもらっているに過ぎません。
法的には間違ったことをしていなくても、立ち退きを命じられることは覚悟しておくべきでしょう。
任意での返済は手続き終了後でないといけない
債務整理が終わったのちに免除になった家賃を任意で返済することで、強制退去を防げる可能性があります。
つまり、支払い義務がなくなった家賃を大家さんに払うことで「これからも住まわせてください」とアピールできるということです。
しかし、個人再生や自己破産をした場合は、任意の返済は手続き後にしなければなりません。
「債権者平等の法則」というルールがあり、住宅に住み続けたいからと言って家賃のみを早く返済することはできないのです。
手続き後の家賃は支払わないといけない
債務整理の対象となるのは「返済期限の過ぎた負債」のみです。
手続き中やその後の家賃については変わらずに支払わなければなりません。
「債務整理をしたから家賃は永遠に支払わなくて良い」と思い込む人がいますが、大きな間違いです。
たとえ自己破産で負債がゼロになっても、また滞納していたら意味がありません。
債務整理によって抱えていた借金がなくなっても油断は禁物です。
大家さんとの信頼関係のためにも、手続き後の支払いについては早めに考えておきましょう。
家賃を滞納したままにしておくとどうなるか
1度家賃を滞納してしまうと負債がかさんでいき、目をそむけたくなる人も多いでしょう。
大家さんと顔を合わせづらくなって、連絡を無視してしまうこともあるかもしれません。
しかし、家賃滞納分をそのままにしておくとさまざまな弊害が生じることとなります。
具体的にはどういう事態に陥るかを順番に見ていきましょう。
保証人に請求がいく
家賃を滞納したまま1ヶ月が経つと、契約時に決めた保証人や保証会社に滞納を知らせる連絡が入ります。
保証人は親や親戚に設定していることが多いので、自分の経済状況や支払い忘れなどのミスがバレてしまうのは避けられません。
保証会社の場合は立て替えて払ってもらっているので、督促の電話は少々厳しいものになるでしょう。
電話に応じない場合は何度もかかってきたり、留守電に入れられたりすることがあります。
督促状が届く
家賃滞納を2ヶ月そのままにすると、大家さんや管理会社から内容証明で督促状が届きます。
内容証明は法的な証拠能力を持つので、仮に裁判を起こされたときにこちらに不利に働くでしょう。
郵便物を破棄したり、証拠を隠滅したりしても「内容証明を送った」という記録は残っているので、責任からは逃れられません。
強制退去を求められる
家賃滞納を3ヶ月放置すると、契約解除のための訴訟を起こされる可能性が高まります。
家賃を支払う意思がないと判断されてしまうためです。
大家さんとしても、決まった金額を支払わない人を住まわせておくメリットがないので、特別なことがない限りは建物の明け渡しを命じられるでしょう。
最悪の場合、訴訟を起こされて家賃滞納分以上の損害賠償金を求められることがあります。
ブラックリストに載る
保証会社に滞納の連絡が入った段階で、自分の信用情報に滞納したという記録が残ります。
将来住宅ローンの審査に通りづらくなったり、クレジットカードが新しく作れなくなったりするのは避けられません。
一度失った社会的信用は取り戻すのがかなり難しいので、ブラックリストに載る前に対処することが大切です。
家賃滞納で困った時の相談先
家賃を滞納してしまった際、なかなか周囲に相談することは難しいでしょう。
しかし、放っておけば負債はどんどん増えていき、自分1人ではどうすることもできない金額に膨らみます。
家賃滞納分を支払えずに困った時、どこに相談するのが良いのでしょうか。
頼れる相談先をみていきましょう。
生活困窮者自立支援制度の相談窓口
国の制度を利用するために、専用の相談窓口に行ってみるのも1つの方法です。
生活困窮者自立支援制度について教えてくれる無料窓口は、たいてい社会福祉施設やNPO法人に設置されています。
興味があれば、住んでいる地域の施設に事前に問い合わせをしてみると良いでしょう。
tips!!〜生活困窮者自立支援制度〜
生活困窮者自立支援制度は厚生労働省の管轄する、就業支援や衣食住の支援・資金提供など生活全般にわたる支援をする制度です。
働きたくても働けない、住む所がない、など、まずは地域の相談窓口にご相談ください。
引用:厚生労働省(生活困窮者自立支援制度の紹介 )
相談窓口では一人ひとりの状況に合わせた支援プランを作成し、
専門の支援員が相談者に寄り添いながら、他の専門機関と連携して、解決に向けた支援を行います。
各市区町村ごとに相談窓口が設けられており、ご自身のお住まいの地域の相談先は自立相談支援機関の相談窓口一覧から探せます
しかし、相談窓口はあくまで話をする機関であって、専門家ではないことを念頭に置くのが重要です。
相談は聞いてくれますが、実際に動くとなると現実的なサポートをお願いするのは難しいでしょう。
弁護士
法的なアプローチを求めるのであれば、弁護士事務所に相談するのも手段の1つです。
しかし、弁護士が手腕を発揮するのは実際に大家さんに滞納分を巡って訴訟を起こされそうな時や、内容証明の扱いに困った時などが考えられます。
自分の抱えている悩みが弁護士の専門なのかは、事前に確認が必要です。
また、少し相談しただけで高額請求されるケースもあるので、金額面には十分に注意しましょう。
司法書士
債務整理を検討する際の相談先としては、司法書士が最適です。
専門的な知識から、的確なアドバイスを瞬時にもらうことができます。
イーライフ司法書士法人は、相談料金についても柔軟に対応が可能です。
幅広い業務に対応した実績があるので、家賃滞納分を含んだ債務整理などのイレギュラー対応も受け付けています。
お手続きが終了した後に、万が一大家さんや保証会社から電話が来ることがあっても、何度でも対応が可能です。
利用者に寄り添った対応を心掛けています。
最短5分から受付可能ですので、少しでも家賃滞納や債務整理に関してお悩みの方はぜひイーライフ司法書士法人にご相談ください。
の取り組み
アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人は、借金問題を創業当時から取り扱い、様々な問題を解決してきました。
個々の様々なケースに最適な答えを持っています。
無料相談を常時、実施しております。
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まとめ
家賃を滞納していても、債務整理で滞納分を減額したり、なくしたりすることができます。
ただ、債務整理には複雑な制度があり、個人で行うには限界があるのが現実です。
イーライフ司法書士法人は、溜まった家賃を今後のためにどうしていくかを考え、最適解を導き出します。
家賃滞納や債務整理で困ったら、イーライフ司法書士法人にご相談ください。