債務整理中に過払金があることが分かった時、請求したほうがいいのかそのままにした方がいいのか、対応に迷う人もいます。
とくに債務整理中は信用情報に傷がつくため、請求していいのか戸惑うところでしょう。
本記事では、債務整理中に過払い金が発覚した時の対処法、また過払い金と債務整理の違いについて解説します。
債務整理と過払金請求の違い
債務整理と過払金請求は、どちらも借金返済をするうえで重要な手続きです。
一見両者とも同じように思うかもしれませんが、利用する目的が異なり、手続きをする際は注意をしなければいけません。。
まずは債務整理と過払金請求の違いについて、確認しましょう。
債務整理とは
債務整理とは、今抱えている借金の返済額を減額してもらったり、免責してもらったりするための法的手続きです。
借金の返済が困難になった際に利用できる手続きで、任意整理、個人再生、自己破産の3つになります。
任意整理とは、弁護士や司法書士が間に入り、クレジットカード会社や消費者金融など債権者に対して借金額や返済方法の交渉を行います。
債務整理の中では、この任意整理が一番利用が多いです。
個人再生とは、裁判所を通して原則3年〜最長5年で返済できる額にしてもらうよう、弁護士や司法書士を通してお願いします。
自己破産は裁判所を通して借金を帳消しにしてもらう手続きです。
ただし、原則として全ての財産を手放さなければいけません。
過払金請求とは
過払金とは、カードローンやキャッシングで作った借金の利息を、必要以上に支払ったことで発生したお金のことです。
日本では法律で利息制限法が定められており、カードローンやキャッシングを利用時の利息を、年15〜20%と定められています。
ところが、かつての消費者金融ではこの利息制限法以上の金利(※いわゆるグレーゾーン金利です)を設定していた業者がいました。
tips!!〜グレーゾーン金利とは〜
平成18年以降、出資法の改正によって、このグレーゾーン金利が廃止されました。
グレーゾーン金利によって支払っていら利息分は「過払い金」として金融業者に請求することが可能です。
グレーゾーン金利とは、利息制限法の規定する制限利率(年15%~20%)を越えるが、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(以下、出資法といいます。)の規定する上限金利(現在、年29.2%)を越えない範囲の金利をいいます。
この範囲の金利は、刑事罰の対象にはなりませんが、民事上無効であり、たとえ支払ってしまっても返還請求が可能なものです。(但し、「みなし弁済」の規程があり、一定の要件を満たせばグレーゾーン金利の支払が有効とみなされる余地がありますが、判例上、要件はきわめて厳格に解釈されており、現在では、有効とみなされる余地は皆無と言って良い状態です。)
消費者金融やカード会社のほとんどは、このグレーゾーン金利で営業を続けてきました。グレーゾーン金利は、生活者を保護する利息制限法の制限利率を超える高金利です。生活のためにこの高金利でお金を借りてしまうとすぐに返済が困難となり、返済のために何社からも借入をして多重債務に陥ってしまいがちで、現在、全国で200万人以上の多重債務者が苦しい生活を強いられている状況です。
この事態を解決するためには、多重債務に陥る根本的な原因である高金利の引き下げが必要であるとの認識のもと、平成18年に、市民の高金利引き下げ要求が国を動かし、金利を規制している出資法などの改正が行われました。その結果、法律の公布(平成18年12月20日)から概ね3年後に貸金業法の「みなし弁済」規程は廃止され、出資法の上限金利は、引き下げられることになりました。
出資法の上限金利は20%になり、これを越える金利で業として貸付けを行えば刑事罰の対象となり、15%から18%を越える場合には、行政処分の対象となります。高金利を許してきたグレーゾーン金利が廃止されることになったのです。
引用:愛知県弁護士会(【法律豆知識】グレーゾーン金利の廃止について)
過払金が発生している可能性が高い人は、借入開始が2010年6月17日以前の人、借金の完済が10年以内の人は過払金が発生している可能性があります。
同じ貸金業者から連続して借入をした場合、完済済みの借金と次の借金も同一金利になっている可能性があるので、確認してみましょう。
債務整理中に過払い金請求を行う注意点
債務整理中に過払金請求を行うことは、借金問題解決に有効です。
しかし、債務整理中に過払金を行うにはいくつかの注意点があります。
請求手続きを行う人は、このデメリットも理解したうえで手続きを行いましょう。
ブラックリストに載る可能性がある
債務整理中に過払金の返金手続きを行い、その返金額を残りの借金の返済に充てた場合、任意整理として扱われます。
任意整理をすると、JICCやCIC、KSCなどの信用情報機関に事故情報として掲載される可能性が高いです。
もし信用情報機関に事故情報として掲載されてしまうと、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすることができません。
また事故情報の掲載は各信用情報機関によって異なりますが、5〜10年はそのまま残ります。
仕業など、特定の就職に就けないため、生活に影響する可能性も高いです。
ただし、返金額で元金を全額返済できれば事故情報として掲載されません。
制限される仕事もなく、日常生活にも影響しにくいでしょう。
10年以上経過しているものは請求できない
過払金請求には時効があります。
完済して10年以上経過しているものは、過払金があると発覚しても請求できません。
例えば2017年3月31日に借金を完済したとして、その後その会社から借入や返済がなかった場合、時効が成立するのは2027年3月31日になります。
時効である2027年3月31日までに、貸金業者から取引履歴の取り寄せ、過払金の計算、過払金返金請求書の送付の3つを完了させなければ、回収できる過払金はゼロになるでしょう。
また、A社での借金を完済したのち、半年後にB社で借入をして完済する、この一連の流れを連続取引といいます。
連続取引であっても、時効までなら過払い金請求が可能です。
ですが、裁判所によってはこの連続取引が認められない可能性があるため、一度確認をしましょう。
業者によって返還額が左右される
過払金を請求したとしても、全額返済される訳ではありません。
クレジットカード会社や消費者金融など、請求先の経営状況が返還額に大きく左右します。
返還請求に対して前向きな姿勢を示してくれる業者であっても、1回の交渉で返還される金額は70〜80%と満額返還は難しいです。
弁護士や司法書士に依頼すれば、争点がない限り100%返還できる可能性はありますが、大幅に下回るケースもあります。
返還額が気になる人や、業者と交渉して納得ができない人は、一度司法書士や弁護士に相談してみましょう。
ただし、過払金請求をすると、請求した業者から借入ができなくなります。
今後も借入を利用する予定がある人は、別の貸金業者の利用を検討しましょう。
過払金請求を自分で行うメリット
過払金請求を自分で行うメリットは、費用の節約です。
司法書士や弁護士など、専門家を介して解決すると、依頼料が発生します。
各事務所によっても金額は異なりますが、まず着手金として1〜3万円、成功報酬として1社あたり2万円、その他過払い報酬を20〜25%に加えて別途事務手数料が必要です。
なるべくこれらの費用を抑えたい、手元にお金を残したいという人は、自分で過払金請求手続きをすることをおすすめします。
過払い金請求を自分で行うデメリット
依頼料や事務手数料など、なるべく費用を安く抑えたい人は、自分で過払金請求をしたほうがいいでしょう。
しかし、自分で手続きを行うことはメリットばかりではありません。
自分で手続きを行う場合、以下のようなデメリットが発生するので注意しましょう。
回収までに時間と労力がかかる
過払い金請求を行うには、必要書類が多いです。
過払い金返還請求書を始め、訴状、証拠説明書、取引履歴、引き直し計算書、登記簿謄本、訴状費用額確定処分申立書の7つを時効までに揃えて相手に送らなければいけません。
訴訟となった場合、裁判所に提出する書類が必要となり、法的な知識が乏しいとかなりの時間と労力が必要です。
特に引き直し計算が難しく、債権者が1社の場合はスムーズに計算できる可能性はあります。
しかし、何社もの取引業者を利用したり取引期間が長かったりすれば、それだけ作業量は増え、用意するまでに時間がかかるでしょう。
また、書類にミスがあれば訂正をしなければいけないため、それだけ回収までに時間がかかります。
業者によって交渉が難しい
請求する相手はお金のプロなため、お金に関する知識はもちろん交渉の仕方まで熟知しています。
しかし、過去にこうした交渉経験がない人にとって、業者との交渉は難しいです。
司法書士や弁護士といった専門家が相手だと掲示された金額に応じる可能性はありますが、個人が相手の場合、金額を下げてきたり交渉に応じなかったりするケースもあるでしょう。
法的知識がなければ、交渉も難しく相手に丸め込まれてしまい、想定していた返済額より大幅に下回った金額で納得させられる可能性も高いです。
専門的知識がない人は、法律に詳しい専門家を付けたほうが交渉はスムーズに行われます。
交渉に関する精神的なストレスも軽減するので、おすすめです。
低額の和解金を求められる可能性がある
個人が請求書通りの過払金を請求するのは、難しいところがあります。
貸金業者は債務整理に関する法的な知識や法的運用事例、中には裁判所に精通している業者もいるでしょう。
個人が交渉をするには、それ以上か同じレベルの専門知識や経験が必要です。
また、既に利用していた貸金業者が経営難で倒産している可能性もあります。
さらに和解になると、回収できる金額が請求額の50%です。
金額が不服で、裁判になったとしても回収できるのは70%と、高い確率で満額請求はできません。
自分でやり取りをすれば、家族に借金がバレるケースもあります。
家族に内緒で手続きを済ませたい人は、自分で解決するのはおすすめできません。
専門家へ依頼するようにしましょう。
場合によっては裁判になる可能性がある
交渉したにも関わらず、相手との話し合いに納得ができない。
請求額が想定よりも低く、解決できない場合は控訴して争う必要があります。
しかし、裁判になると弁護士と討論しなくてはならないので、更に法的知識が必要です。
裁判所にいく手間もかかりますが、裁判所自体が平日しか開いていないというデメリットがあります。
会社員であれば、有休を使うことでお給料が確保できますが、フリーランスは仕事を休まなければならず、その間お金は入りません。
こちらが訴えを起こせば、相手も弁護士を立てるでしょう。
そうなれば、法的知識が乏しい個人の意見を聞き入れることは難しく、希望通りの過払金を回収するのは不可能です。
過払金請求の対応は司法書士へ依頼するのがおすすめ
過払い金を請求するなら、自分で交渉するよりも司法書士へ依頼しましょう。
司法書士なら、法律に関する知識はもちろん、過去の実績も豊富です。
とくにイーライフ司法書士法人に在籍する司法書士は、あらゆる専門的知識と実績を持った司法書士が在籍しているため、過払金請求でお困りの場合、スピーディに対応を行います。
平日、忙しい人に代わり、必要書類を揃え交渉も行うので、自分で解決するよりも早く過払金の回収ができるでしょう。
弁護士よりも依頼料が安く、依頼料も明瞭かしていることから、必要以上の依頼料は発生しません。
無料相談も実施しているため、司法書士に相談が初めての人、まずは気軽に相談してみたいという人は、ぜひイーライフ司法書士法人にご相談ください。
の取り組み
アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人は、借金問題を創業当時から取り扱い、様々な問題を解決してきました。
個々の様々なケースに最適な答えを持っています。
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まとめ
過払金請求は自分で行うこともできますが、専門的知識が必要なため、必要書類を揃えるだけでも時間や労力が必要です。
揃えた書類にミスがあれば訂正も必要となり、それだけ回収までに時間を要します。
さらに、お金のプロである貸金業者と直接話し合いになるので、専門的知識がなければ不利です。
債務整理をしている中で、過払金が見つかったらまずはイーライフ司法書士法人にご相談ください。