債務整理をしようかと考えているが、どこに相談すればいいのか迷っている人もいるでしょう。
現代ではインターネットが普及しているため、債務整理について検索をかけてみると、大量の情報がでてきます。
その際、法テラスについて目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
本記事では法テラスとはについてや、利用基準や費用について解説します。
この記事でわかることは?
- 法テラスってどんな場所?
- 法テラスの利用条件は?
- 法テラスに相談した時にかかる費用
法テラスとは
法テラスとは、国が設立している機関の日本司法支援センターの通称名で、国がおこなう公的な制度を利用することにより、経済的に余裕のない人への法的支援が目的です。
そして、さまざまな問題を費用の負担が少なく専門家に相談できます。
法テラスには民事法律扶助業務という制度があり、その種類には無料法律相談や裁判、書類作成の手続き費用の立て替えが可能です。
さらに、この制度を利用すれば、弁護士や司法書士への費用も立て替えてくれるため、手持ちのお金がなくても債務整理ができます。
この制度を利用すると、本来よりも大幅に安く専門家に依頼ができて、利息や手数料がかからずに費用を分割払いで支払うことが可能です。
分割払いにも対応しており、毎月5千〜1万円くらいにしてもらうことが可能なので、生活保護受給者の場合は費用がかかりません。
通常、専門家に依頼する時は一括支払いですし、費用自体も安いとは言えない金額になるため、法テラスの目的とした民事法律扶助業務はおすすめの制度です。
tips!!〜民事法律扶助業務〜
法テラスでおこなっている「民事法律扶助業務」は簡単に説明をすると、法律相談が無料で受けられ、さらに弁護士・司法書士の費用を立て替えてくれる制度です。
費用の立替には審査があり、条件によっては費用が免除になる場合もあります。
詳しくは法テラス(民事法律扶助業務)を参照
民事法律扶助業務とは、経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)業務です。扶助事業の対象者は、国民及び我が国に住所を有し適法に在留する外国人です。法人・組合等の団体は対象者に含まれません。(総合法律支援法第30条第1項2号)
引用:法テラス(民事法律扶助業務)
※2022年4月1日から成年年齢が18歳に引下げになりました。代理援助・書類作成援助の申込み・契約締結についても18歳から本人ができます。
法テラスなら債務整理の費用が安くなる
法テラスで民事法律扶助業務費用を利用すると、費用が安くなります。
しかし、法テラスを利用しない通常の専門家の相場や、法テラスを利用した時の金額が分からなければ比較はできません。
こちらでは、実際に法テラスを利用しない通常の専門家と法テラスを利用した場合に、どのくらい費用の差があるのかを紹介しますので、比較してみてください。
債務整理で法テラスを利用しない場合の費用
任意整理の場合、借入先の数により異なりますが、仮に5社としたとして10〜20万円かかります。
また、借入先1社につき着手金2〜4万円程度必要です。
さらに、報酬金がかかることもあるため、その際は加算されます。
個人再生の場合、着手金を含み35〜60万円かかるでしょう。
費用の幅が大きいのは、条件や手続きの仕方で差があります。
また東京地裁のみ、個人再生委員という手続きが正しくおこなわれているか管理、監督する人が必要なため金額は50万円程度の費用が必要になるでしょう。
自己破産の場合、着手金を含め22〜70万円必要です。
財産がなく単純に申告する同時廃止ならば22万円程度ですが、複雑な管財事件になると70万以上かかることもあります。
債務整理で法テラス利用した場合の費用
任意整理を利用すると、実費も着手金も、任意整理する債権の件数によって異なります。
まず、実費に関しては10件なら25,000円、11〜20件なら30,000円、21社以上の場合になると35,000円です。
そして、着手金が1〜5件なら11万円、6〜10件なら154,000円、11〜20件なら176,000円、21社以上になると198,000円かかるでしょう。
もし、法テラスを利用しないケースと比較すると約半額くらい違います。
個人再生の場合は、実費に関しては一律で35,000円です。
そして、着手金が1〜10件なら165,000円、11〜20件なら187,000円、21以上になると22万円になるため、法テラスを利用しない場合と比較すると半額以下になり費用をおさえられます。
自己破産の場合は、実費に関しては一律で23,000円です。
そして、着手金が1〜10件なら132,000円、11〜20件なら154,000円、21件以上になると187,000円になるため、法テラスを利用しない場合と比較すると半額以下になり費用をおさえられます。
しかし、法テラスで民事法律扶助業務を利用して個人再生と自己破産をする際に、予納金というものがあり、それについては立て替えの対象にはなりません。
そして、予納金は専門家に依頼している人は15万円以上かかり、個人再生や自己破産の内容によって費用は変わります。
法テラスの利用条件
法テラスを利用することで、さまざまなメリットがあります。
しかし、民事法律扶助業務は、誰でも利用できるわけではありません。
そのため利用するには、収入と資産の2つ基準があり、それを満たすことが必要です。
1つ目は、申込者および配偶者の収入を合わせた手取り月給金額で、世帯人数によって異なる基準があります。
基準については、以下の通りです。
■民事法律扶助業務が利用できる収入と資産の基準は?
- 1人の場合は18万2,000円以下、大都市の基準は20万200円以下
- 2人の場合は25万1,000円以下、大都市の基準は27万6,100円以下
- 3人の場合は27万2,000円以下、大都市の基準は29万9,200円以下
- 4人の場合は29万9,000円以下、大都市の基準は32万8,900円以下
そして、申込者および配偶者が不動産や有価証券などの資産がある場合にも、世帯人数によって異なる基準があります。
世帯人数が1人は180万円以下、2人は250万円以下、3人は270万円以下、4人になると合計300万円以下です。
さらに、日本に住所があり個人である必要があるため、法人や組合などの団体は利用できません。
法テラスで債務整理するデメリット
法テラスで民事法律扶助業務を利用して債務整理する際に、費用が安くなったり、利息や手数料がかからず分割払いができるメリットがある反面、デメリットもあります。
そのデメリットはいくつかあるため、それぞれ項目ごとに紹介していきます。
審査に時間がかかる
利用条件にもあるように、法テラスで民事法律扶助業務を利用する際には収入と資産の2つ基準があるため、まずはその審査が必要です。
この審査には、給与明細書と源泉徴収票と確定申告書などの書類を提出して、2週間程度結果を待ちます。
その審査結果を待っている間は、まだ依頼が発生していないため、債権者からの電話や手紙などの催促は止まりません。
さらに、債務整理の手続きに入るまでに、法テラスに問い合わせてから約2ヵ月程度の時間がかかってしまうなどデメリットがあります。
弁護士を選べない
法テラスで民事法律扶助業務を利用する場合、2つの方法があります。
1つ目は、個別に専門家の事務所に相談して、そこで法テラスの民事法律扶助業務を利用したい旨を伝える持ち込み方式という方法です。
この方法は、全ての専門家に適用されるわけではないため、持ち込み方式を受けてくれる専門家を探す必要があります。
その法テラスに対応している専門家が限られているため、探す手間や労力がかかるところがデメリットです。
2つ目は、法テラスの無料相談を受けてそのまま依頼する場合は、その時に相談した専門家が担当します。
そのため、その専門家が債務整理などを得意ではない可能性も予想され、場合によっては債務整理がスムーズに行かない可能性もあるでしょう。
法テラスを利用する方法
法テラスでは困りごとに応じて法制度や手続きをして、適切に問題の解決をします。
それは、各都道府県にある法テラス(法テラスの地方事務所一覧に遷移します)にて対応してくれるため、安心して利用できるでしょう。
こちらでは、民事法律扶助業務を利用して債務整理をする際の2通りの方法について解説します。
法テラスの無料相談
まず、電話で法テラスサポートダイヤル(電話番号:0570-078374)にかけ無料相談をしたい旨を伝えると、お近くの法テラスへ直接連絡をつないでもらえます。
その電話にて相談日の日程を調整しますが、相談日が1ヵ月など時間がかかる可能性もあるため注意しましょう。
そして、相談日当日に担当してもらった専門家に依頼をするか、他の専門家に相談するか(法テラスでは1回30分で同じ案件は3回まで)決めます。
その後、依頼をする際に必要な審査を受けますが、2週間くらいの時間がかかり、この審査をクリアしたら債務整理に着手できます。
最終的に、無料相談の問い合わせから債務整理の着手までは、約2ヵ月くらいかかることがあるため注意が必要です。
専門家に直接相談して法テラスの利用を依頼する
まず、法テラスを利用するのに対応してくれる専門家を探します。
そして、探した専門家に直接電話をして法律相談を申し込み、その際に法テラスを利用したい旨を伝えて、法律相談日の日程を決定します。
ちなみに、法律相談日は問い合わせからだいたい1週間程度が多いです。
その後、相談日に専門家へ相談して法テラスの利用に了承をもらえると、依頼の際に必要な審査を受けて、2週間くらいの時間がかかります。
この審査をクリアしたら債務整理に着手することが可能です。
また、無料相談の問い合わせから債務整理の着手までは、2週間〜1ヵ月くらいかかるでしょう。
本来、専門家の法律相談料の相場は30分5,000円程度ですが、無料相談を実施している専門家や初回30分のみ無料などがあります。
法律相談をするのは初めてという人は、無料相談を実施している司法書士に相談しましょう。
の取り組み
アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人は、借金問題を創業当時から取り扱い、様々な問題を解決してきました。
個々の様々なケースに最適な答えを持っています。
無料相談を常時、実施しております。
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まとめ
法テラスで民事法律扶助業務を利用する際には、利用条件があります。
その利用条件は収入と資産の基準がありますので、満たしているのか確認しましょう。
また、問い合わせから着手までの時間がかかることや債務整理に強い専門家が選べないというデメリットを考える必要があります。
そして、法テラスの無料相談か、持ち込み方式で利用するのか自分に合った方法で債務整理について相談してください。
新たな生活の第一歩を踏み出すきっかけとなれるよう祈っています。