借金があるにもかかわらず、事業が失敗してしまった人にとって、気になるのはお金問題でしょう。
現在抱えている借金に事業で失敗した赤字分もプラスされるので、多額な金額になります。
これから事業を続けて成功するまで継続するのか、諦めて廃業をするのかを決めかねていることでしょう。
速やかに判断しないと借金が膨れ上がり、自力で返済できない事態になるので危険です。
そこで本記事では、借金があるにもかかわらず事業に失敗してしまったときの対処法を解説します。
この記事でわかることは?
- 事業の失敗で借金が返済できなくなったときの対処法
- 借金を抱えたまま廃業するときの対処法
知っていれば怖くありません。
借金でお困りの方の参考になれば幸いです。
借金を抱えたまま事業に失敗してしまう背景
借金を抱えたまま事業に失敗してしまうのは、計画していた以上に借金を増やし、売上がないのに先行して仕入れや諸経費の支払いを行うからです。
事業を始める際や事業を安定化するには、多くの資金が必要になります。
消費者の二-ズや環境の変化にも柔軟に対応して、根拠のある事業計画を立てるのも重要な要素です。
ここでは、借金を抱えたまま事業に失敗してしまう背景を見ていきましょう。
過大な初期投資と運転資金調達
事業を継続する上で重要なのは、入金と出金のやりくりを円滑に行うことです。
起業をするならば、設備を整えなければなりません。
そのため、収入を確保する準備として、支出が多くなってしまうでしょう。
そこで収入と支出のバランスを欠くことで、支出の方が多くなって一気に事業が傾いてしまいます。
また、事業が軌道に乗ると、仕入れや経費の支払いを円滑に行うために運転資金も必要になります。
必要以上の借金は危険であり、初期投資の資金が過大とならないように注意しなければなりません。
資金繰りの安定を図る目的だけで、運転資金を調達するのは避けてください。
市場ニーズ・取引先の変化
市場ニーズ・取引先の変化についていかないと、事業に失敗していきます。
取引先が変化したり新規参入してくる業者が増えたりするなか、現状維持の状態ではいけません。
市場ニーズを把握するには、専門誌や業界紙から業界の動向をいち早く読み取ることが重要です。
そして、顧客が必要としているものをタイムリーに提供しなければなりません。
また、取引先についても支払や回収の条件などの変更がないかを常に把握しておくことが重要です。
何が起こるかを想定して、あらゆる変化に対して敏感に対応しなければなりません。
事業計画の甘さ
事業が失敗してしまう要因の一つとして、事業計画の甘さがあげられます。
経営が悪化して事業を失敗してしまうのは、計画が甘く、現状認識を怠っているためです。
事業計画は綿密な計画に基づいて行う必要があり、ズレがあった場合はすぐに軌道修正して損失のリスクを抑える必要があります。
予測のできない大きな事態が起きて対応が遅れると、経営が悪化しかねません。
あらゆる不測の事態を想定して、精度の高い事業計画を立てておく必要があります。
事業を継続したいときの対処法
事業を継続させたいならば、すぐに再建案を練らなければなりません。
現行の経営状況から失敗の原因を究明し、問題点と業績悪化の要因を探り、挽回するための対処法を考える必要があります。
具体的にどのように進めていけばいいのか見ていきましょう。
事業計画の見直しを行う
事業計画の進み具合は、常に見直しておかなければなりません。
本来の目的は、現時点での事業を見つめ直すことです。
短期、中長期、長期と計画を立てる際に、月別・週間別など最小単位で計画を見直しておけば、事前に大きな問題を回避できます。
短いスパンで見直していけば、資金繰りのぶれ幅も少なくなるでしょう。
事業計画を見直すのは、業績面だけではありません。
取引先や金融機関との良好な関係を維持する目的もあります。
立て直しを図るにはどのようにすればいいのか、しっかりと検討して計画を立てましょう。
支出の見直しを行う
売上が確保できない場合の対処策として、支出の見直しを行うことは意義があります。
事業を行って支出を抑えるのは、重要な課題です。
事業不振で売上が立たないならば、取引先に支払い条件の変更を依頼するのも効果があります。
支払い条件の変更になると、毎月の支出が先延ばしになり、毎月の資金繰りが少し楽になるでしょう。
そして、支払い条件の良い新規取引先を開拓するのも重要です。
人件費の見直しも効果があるので、今一度、固定費削減を中心とした支出の見直しを図る対処法を実施しましょう。
リスケを依頼する
リスケとは、リスケジュールの略語で、借金の返済計画を一時的に見直すことです。
以下の3点が、リスケの一般的な方法としてあげられます。
- 返済額軽減
- 返済額据え置き
- 債務の一本化
返済額軽減は、毎月の元金返済額を減額する方法です。
毎月の利息を含めた総返済額の軽減が図れます。
返済額据え置きは、毎月の元金返済そのものを止めるものです。
しかし利息だけは毎月払わなければなりません。
債務の一本化は、複数ある借金を一本化して毎月の返済額軽減を図るものです。
一般的におまとめローンと言われています。
いずれの方法も審査が必要となるので、対処法の一つとして覚えておきましょう。
廃業を検討するときの対処法
事業の継続に尽力しても業況が回復しないならば、廃業して債務整理を検討しなければなりません。
抱えてしまった借金を債務整理で、どのように清算していくのかを考える必要があります。
債務整理の方法としてあげられるのは、以下の3つです。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
任意整理
任意整理は債務の額を確定させて、支払可能な毎月の支払額を債権者との合意をもとに支払っていく方法です。
利息制限法を超える利息を取られていた場合、返済の金額が減り、払いすぎたお金を取り戻せることがあります。
任意整理の利用に適しているのは、借金総額が比較的少額で、引き直し計算をすれば借金の減額が見込まれる人です。
債権者との交渉は、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するのが一般的と言えます。
裁判所を通す必要がないので、債権者との話し合いによる柔軟な返済計画を立てられるでしょう。
しかし、話し合いに応じない貸金業者に対しては強制力がなく、和解に時間を要する場合があります。
任意整理を利用すると個人信用情報機関に登録されてしまい、新たな借金ができません。。
個人再生
個人再生は、一定額を返済した上で、残りの債務を免除してもらう方法です。
利用するには、地方裁判所に申し立てを行わなければなりません。
裁判所に申し立てが認められれば、返済を3年程度の分割払いで行えます。
そのためには、安定した収入を証明することが必要です。
個人再生を利用するのに適しているのは、借金をしている業者が複数で、借金の額が多い人になります。
借金が3,000万円以下の場合に減額される金額は、借金額の5分の1が原則です。
また、借金が3,000万円以上5,000万円以下の場合は借金額の10分の1とされています。
個人信用情報機関に登録され、政府が発行している機関紙である官報に住所と氏名が公示されてしまうのが大きなデメリットです。
自己破産
自己破産は、借金の全額免除を目的とした方法です。
引き直し計算をしても借金が残り、分割でも支払うことができない人に向いています。
自己破産手続きを行うのは裁判所で、任意整理と個人再生ができない人は利用してください。
借金は全額免除去れるメリットがある反面、自己破産をすると大きな代償を払うデメリットがあります。
自己破産の主なデメリットは以下の通りです。
- 最低限生活に必要なものを除き、住宅等の財産を失ってしまう
- 官報に氏名、住所などが記載されてしまう
- 免責が許可されるまで一定の職業に就けない
- 連帯保証人に返済義務が生じてしまう
財産を失い、就職先も限られてしまえば、生活に大きな支障をきたすことになります。
就職先は免責が認可されるまでであり、機関が過ぎれば事由に選択可能です。
事業の失敗で借金が払えない場合の相談先は?
事業継続を考えるなら、相談先は借金の債権者である金融機関です。
一方で、やむを得ず事業の継続を断念し、債務整理を検討するならば、司法書士に相談するのがいいでしょう。
相談は早ければ早いほど、問題を早期解決できます。
紹介する金融機関と司法書士で、それぞれどのような対応をするのか見ていきましょう。
金融機関
債権者である金融機関に相談すれば、リスケの対応を検討してもらえます。
政府からの要請もあり、リスケの事前相談で申込みを断念させるような対応を取られることはありません。
返済期限の延長対応など、状況によって提案してもらえるケースがあります。
事業の失敗が理由で借金の返済ができず、延滞が続く状況で相談しても金融機関が対応に困ってしまうでしょう。
最良の提案を受けるためにも相談の際には現状分析を行い、資金繰りを中心とした事業の再建計画を準備しておくのが大切です。
正直に状況を報告すれば、現状の悩み事を解消できる最適な提案をしてくれます。
参考:財務省公式サイト
司法書士
債務整理を決断したならば、司法書士に相談してください。
相談をする大きなメリットとして、司法書士が直接債権者と交渉や折衝を行ってくれます。
また、取引履歴の開示請求や引き直し計算・和解交渉の依頼も行い、必要な書類作成をしてくれるのもメリットです。
債務の選択と手続きの進め方をどのようにしていくのか、相談先である司法書士に相談すれば不安は解消されるでしょう。
の取り組み
アカルイミライを運営するイーライフ司法書士法人は、借金問題を創業当時から取り扱い、様々な問題を解決してきました。
個々の様々なケースに最適な答えを持っています。
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まとめ
もし借金を抱えたまま事業が行き詰まったならば、事業を継続するのか、廃業してしまうのかを慎重に判断しなければなりません。
やむを得ず廃業を選択したならば、速やかに司法書士に相談しましょう。
早期の相談が早期の不安解消につながります。