借金をしているけどブラックリストに載っているのかわからない、ブラックリストに載ってしまった、こういったことで悩んでいませんか。
借金を延滞したり任意整理をしたりすると、いわゆるブラックリストに掲載されます。
ただし、一度載るとそのままというわけではなく、ある程度の期間が経過するとリストから消えます。
今回は、ブラックリストに載る条件やデメリットについて解説していくので、参考にしてみてください。
この記事でわかることは?
- ブラックリストに載る条件は?
- ブラックリストに載るとどうなるのか
- ブラックリストに載っているか確認する方法
- ブラックリストはどうやったら消えるのか?載ってしまったときの対処法
知っていれば怖くありません。
借金でお困りの方の参考になれば幸いです。
借金したときブラックリストに載る条件
ブラックリストという名簿は存在しません。
「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関が所有する信用情報に、事故情報が登録されることです。
事故情報についてはこれから解説していきます。
ブラックリストに載る条件は会社によって変わるので、一概には言えません。
一定期間で返済が延滞したとき
決められた返済日を過ぎると、ブラックリストに掲載されます。
具体的には、2〜3ヶ月以上ローンやクレジットカードの返済が遅れる状態などです。
クレジットカードは、後で支払ってくれるという信用の元で成り立っているため、支払いが遅れるとブラックリストに登録されてしまいます。
滞納している期間が数週間程度でも、それを2度3度と繰り返すと事故情報が登録される恐れがあるので、気をつけましょう。
また、短期間に複数の金融機関に借入申請をすると借り回しとみなされ、事故情報として登録される可能性があります。
債務整理の手続きをしたとき
債務整理とは、借金を減額または全額免除をするための手続きを指し、主に以下の3つがあります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
任意整理とは、債権者と交渉して利息や遅延損害金をカットしてもらうことです。
遅延損害金は、返済が遅れることによる損害賠償金のことを指します。
個人再生とは、借金を5分の1から10分の1に減らしてもらうことを指し、返済期間は3年から5年です。
自己破産は借金を全額免除してもらうことで、裁判所に支払いが不可能であると認めてもらう必要があります。
3種類の手続きはいずれもブラックリストに載るので、覚えておきましょう。
返済不能で代位弁済に切り替わったとき
代位弁済とは、支払い能力がない債務者に代わり、保証会社や連帯債務者が債務を返済することを指します。
自分でローンを組んだにもかかわらず、支払えずに他の人に代わりに返済してもらった、ということです。
支払いの期限から3ヶ月過ぎると行われるので、気を付けましょう。
代位弁済をしてもらうと、再度ローンを組むときに返済能力があるかを疑われるため、事故情報として登録されてしまいます。
貸付日が2019年9月30日以前だと代位弁済発生から5年以下、2019年10月1日以後だと完済後から5年以下の期間掲載されます。
借金してブラックリストに載るデメリット
ブラックリストに名前が載ると、以下のデメリットがあります。
■ブラックリスト(個人信用情報機関に事故情報が登録)になると起こるデメリット
- クレジットカードの利用ができない
- ローンを組めない
- 賃貸の入居審査に落ちる恐れがある
順番に詳しく解説していきます
クレジットカードの利用ができない
ブラックリストに名前が載ると、クレジットカードを発行できません。
クレジットカードを新規発行するときに事故情報があると、支払い能力があるかを疑われるため、審査に通らないわけです。
クレジットカードの支払いが2〜3ヶ月遅れると事故情報が掲載され、現在契約しているクレジットカードも解約しなくてはいけません。
契約中に、信用情報に問題がないかを定期的に確認する途上与信が行われるためです。
クレジットカードが強制的に利用不可能になれば、様々な分割払いができなくなります。
例えば毎月サブスクで支払っている人、公共料金の支払いで自動引き落としにしている人です。
ローンを組めない
料金の支払いを前借りして分割払いをする、住宅ローンや自動車ローンも組めません。
ブラックリストに名前が載っていると、支払い能力があるのか疑問を持たれるからです。
ローンで買い物をしたい場合、事故情報が消えてから申し込みしましょう。
賃貸の入居審査に落ちる恐れがある
マンションやアパートといった賃貸住宅の契約で、審査に落ちる可能性があります。
信販会社を賃貸保証会社に選んでいる不動産会社の場合、審査の際に信用情報を確認される場合があるからです。
賃貸保証会社とは、家賃の支払いを大家さんに保証する会社のことを指します。
信販会社は、消費者がものを購入するときに代金を立替払いして、後で代金相当額を請求する会社です。
ブラックリストに名前が載ると、支払い能力が低いと判断されて、入居審査に通らない場合があります。
そのため、信販会社が賃貸保証会社でない不動産会社を選ぶ必要があります。
借金してブラックリストに載っているか確認する方法
信用情報機関には本人開示制度があるため、開示請求によって自分の信用情報を確認できます。
信用情報機関は以下の3つです。
開示請求方法は以下の通りです。
CICとJICCへの開示手数料は、窓口の場合500円、それ以外の方法は1,000円かかります。
KSCの場合、パソコン・スマートフォンは1,000円、郵送は1,124円〜1,200円です。
開示を受けた際、該当の欄に「A」と書かれていると、遅滞の事実を表します。
「異動」とあると、長期の遅滞や債務整理があったことを表すので、事実と違う場合は連絡しましょう。
借金してブラックリストに載っている期間
事故情報は永久的に掲載されるわけではなく、契約終了後や完済から一定期間が過ぎると消えます。
内容や信用情報機関によって、事故情報が削除される期間が変わるので、確認しておきましょう。
ただし、延滞や自己破産を起こした借入先やそのグループ会社では、半永久的に事故情報が登録されていることがあるため、注意が必要です。
これを社内ブラックといい、借り入れのときに、事故情報が消えた後でも審査に落ちる可能性があります。
ここからは、ブラックリストに載っている期間について紹介するので、確認しておきましょう。
延滞した場合
2〜3ヶ月以上の延滞を行うと信用情報に延滞をした旨の事実が記載され、契約終了後から5年程経たないと削除されません。
信用情報機関ごとの掲載期間は以下の通りです。
- CIC
完済から5年以内
- JICC(クレジットや金融機関)
完済から5年以内
- KSC
延滞が解消した日から5年
しかし、契約日が2019年9月30日以前に限り、延滞が終わってから1年以内に事故情報が削除されます。
例えば、2019年4月に契約した場合、JICCの事故情報が2020年4月に消える仕組みです。
2019年11月に契約すると、2024年11月まで事故情報が消えない可能性があるので注意してください。
この例ですと、CICの事故情報が削除されるのが2024年11月まで、KSCは2024年11月になります。
保証履行や代位弁済した場合
保証履行は保証債務の履行の略称で、本人が支払えなくなったときに代わりに債務を支払ってくれます。
信用情報に保証債務の履行や代位弁済の旨が記載されて、事故情報として登録されます。
延滞と同じく、長い場合は5年間も登録されてしまうので覚えておきましょう。
信用情報機関ごとの掲載期間は、以下の通りです。
- CIC
完済から5年以内
- JICC
完済から5年以内
- KSC
KSC:完済から5年を超えない範囲
しかし、契約日が2019年9月30日以前の場合、JICCの事故情報は保証債務の履行や代位弁済が発生してから5年以内に削除されます。
例えば2019年8月に契約し同年11月に代位弁済をした場合、2024年5月までに事故情報が削除されるわけです。
しかし、2019年10月に契約して11月に代位弁済をし2020年1月に完済をした場合、2025年1月まで事故情報が載っている可能性があります。
借金してブラックリストに載って返済できない場合の対処
借金をしており支払いが難しいときは、どうすればよいのか分からないものです。
しかし、ブラックリストに載るのが嫌だからといって、借金を放置するのはやめましょう。
2〜3ヶ月以上支払いをしないでいると、ブラックリストに載るからです。
支払いが難しいときの対処法を知っておきましょう。
借金をした会社に相談をする
クレジットカードや消費者金融などへの支払いのめどが立たず返済が難しいときは、債権者に相談してみるのが良いでしょう。
特に返済期日前であれば、カード会社のアプリから返済方法を変更できます。
具体的には、返済回数が決まっている分割払いから、返済額が決まっているリボ払いに変更するなどです。
返済期日後でも連絡をすれば、返済方法の変更や支払い期日の再設定に応じてくれる可能性があります。
1人で悩む前に連絡をしてみましょう。
債務整理で借金を減額する
支払い自体が難しい場合は、債務整理をしましょう。
債務整理をするとブラックリストに載ってしまいますが、借金を減額・免除できます。
以下の3種類があるので、覚えておきましょう。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
任意整理とは、債権者と交渉して無理のない返済方法を決めることで、利息や遅延損害金がカットできます。
手続きが3~6ヶ月で終わり、ブラックリストに載る以外のデメリットがありません。
自己再生は、借金を5分の1から10分の1に減らしてもらう方法になります。
ブラックリストの他に官報にも掲載される他に、特定の債務を手続きの対象から外せません。
財産を差し押さえられるものの、ローン支払い中の住宅を残せます。
自己破産は、借金そのものを免除できる方法ですが、ブラックリストや官報に掲載されます。
家や車など様々な財産を差し押さえられるうえ、一定期間特定の職業や資格取得ができません。
※債務整理についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
借金返済が難しいときは債務整理が有効です。
確かにブラックリストに名前が載りますが、だからといって延滞を続けていると債務が増える恐れがあります。
任意整理はブラックリストへの掲載以外にデメリットがなく、個人再生はローン支払い中の家を差し押さえられません。
借金返済で困っているときは、債務整理から闇金融まで幅広く対応している司法書士への相談がおすすめです。