債務整理とは、返済に困った際に借金を整理する方法です。
資金繰りに困った場合、お金を貸してもらえると助かります。
しかし、お金を貸してくれる会社は数多くありますが、どこから借りるのかが重要です。
アコムは消費者金融の中でも大手であり、テレビなどでもよく目にすると思いますが、実は利用者も多いため任意整理の相談が多く寄せられます。
ここでは、アコムの債務整理についてわかりやすく解説していきましょう。
この記事でわかることは?
- アコムで借りた借金は債務整理ができるのか
- アコムの借金を債務整理でる人の条件
- アコムの借金を債務整理する際のメリットや注意点
アコムで借入があり債務整理を検討されている方は参考にされてみてください。
消費者金融のアコムの借金は債務整理できる?
結論からお話しすると、ハードルは高いのですがもちろんアコムの借金も整理可能です。
お金を借りる場合、消費者金融と銀行がありますが、一般的に消費者金融は利便性が良いが貸付条件が悪く、銀行系は貸付条件は良いが利便性が悪いという特徴があります。
アコムは一般向けにお金を貸している、三菱UFJフィナンシャルグループに属する日本の貸金業者いわゆる消費者金融です。
大手のため、アコムからお金を借りている方も多いです。
アコムの債務整理は難しいと言われることがありますが、後述するように債務整理には「自己破産・個人再生・任意整理」の3種類があり、ご自身の状況に応じて、適切な手段を選ぶことで、債務整理は可能です。
消費者金融のアコムは裁判所に申し立てを行う自己破産や個人再生だけでなく、直接交渉の任意整理にも応じているので安心してください。
アコムの債務整理の条件は厳しくなっている
アコムは債務整理に対して柔軟に対応している会社ではありますが、条件は年々厳しくなっている傾向です。
アコムが任意整理に応じないケースには、取引期間が極端に短い人や任意整理後も返済が期待できないケース、借金滞納で法的手続きに移行しているケースが挙げられます。
交渉によって可能になる場合がありますが、交渉するのは一般的には弁護士や司法書士などの専門家が行います。
アコムの任意整理が厳しいと言われている理由は、依頼した専門家の交渉次第ではアコム側から断られてしまうからです。
そのため、依頼する際にはアコムとの実績のある専門家に依頼するようにしましょう。
アコムの借金を債務整理するメリットと3つの方法
アコムの借金を債務整理した場合には、いくつかのメリットがあります。
債務整理には任意整理・個人再生・自己破産の3つの種類がありますが、それぞれ特徴が異なります。
自身の現在の状況やその先を考えて、どの方法が最適なのかをしっかりと見極めるのが大切です。
ここからは、それぞれの債務整理の方法についてのメリットを説明していきます。
【任意整理】利息・遅延損害金を支払わずに済む
任意整理では将来利息や遅延損害金の減額やカット、返済期間の延長などの交渉ができます。
将来利息というのは完済までに支払う利息のことで、遅延損害金とは返済が遅れた際に発生する利息のことを指しています。
特に遅延損害金は返済日を過ぎると日割りで加算されるため、高額となってしまう恐れがあるので注意しましょう。
この遅延損害金は滞納期間が長くなるほど膨らみ、滞納期間が長くなると減額やカットが受け入れてもらいにくくなります。
【個人再生】アコムの借入を減額して分割返済できる
個人再生は裁判所に申し立てを行い認可される必要があります。
法的強制力があるため、債権者は裁判所の認可内容に従わなければいけません。
個人再生を行うと借り入れの元本を借り入れ額に応じて5分の1〜10分の1まで減額でき、さらにその残金を3年〜5年の分割で返済することが可能です。
もちろん、アコムの借り入れも裁判所に認可されることで減額および分割返済が可能です。
ただし、申し立てを行う要件は難しく、また手続きが煩雑なため専門家への相談が必要でしょう。
【自己破産】アコムをはじめすべての借入が免責される
自己破産とはアコムだけでなく、全ての借り入れが免除されることです。
破産法で定められた救済制度となります。
全ての借金が免除され債務者が経済的再起を果たすチャンスとなりますが、不動産や自動車などの価値のある所有物は売却や清算を行い、債権者への返済に充てなければいけません。
また、一見すると全ての借金が免除されるためメリットしかないように思いますが、誰でも行えるものではないのです。
要件には、支払い不能であること、借金が非免責債権だけでないこと、免責不許可事由に該当しないことがあります。
また、借金の内容が浪費やギャンブルが大半である場合や予納金が払えない場合にも認められません。
自己破産を申し立てる前には慎重な検討が必要です。
アコムからの催促を受けずに済む
アコムなど消費者金融の借金が滞った際には、督促を受けることになります。
この督促は債務者にとって大きなストレスになるでしょう。
しかし、任意整理において交渉が成立した場合や個人再生や自己破産で裁判所に認可された場合にはその督促を受けずに済みます。
ただし、アコムへの交渉や裁判所への手続きは時間がかかるため、専門家に依頼すると良いでしょう。
自己破産や個人再生の場合、専門家からの委任状が債権者に届いた時点で督促が止まります。
アコムが任意整理に応じない債務者はどんな人?
債務整理のなかで、個人再生と自己破産は法的強制力のある裁判所の認可によって行われます。
しかし、任意整理は任意交渉のため債権者の合意が得られなければ、債務整理を行えません。
要するに、債権者であるアコムが交渉に応じるか応じないかという問題です。
ここからは、アコムが任意整理にどのような場合に応じないのかについて説明していきます。
ここがポイント!
個人再生と自己破産を利用しないで「任意整理」を利用する場合は、債権者であるアコムに交渉に応じてもらう必要がある。
次に該当する場合はアコムが任意整理に応じてくれない可能性がある。
- 安定した継続収入がない人
- 6年以内に完済できない人
- 返済回数が少ない人
- 多額の遅延損害金が発生している人
安定した継続収入がない人
安定した継続収入のない人は、任意整理に応じてもらえない可能性があります。
任意整理は利息や延滞遅延金は免除になりますが、元本の減額がありません。
任意整理後も、元本を返済し続けていかなくてはいけないのです。
アコムが任意整理に応じるのは、原則として3年以内、長くても5年で完済が見込める債権者です。
そのためには安定した継続収入がなければいけないのです。
会社を退職予定の人、会社が倒産した人や病気で働けない人のように、そもそも完済が実行不可だと見なされてしまえば交渉には応じてもらえません。
6年以内に完済できない人
アコムの任意整理における残債対応は今までは原則60回以内となっており、返済総額によっては72回前後までは交渉が可能な場合があります。
ただし、年々基準が厳しくなっています。
令和4年の2月では60回以上の場合には債務総額や返済原資・家庭の収支などを考慮し、やむをえない場合以外には受けてもらえず、5月では原則として48回前後になりました。
さらに令和4年6月には48回で認められなくなってきており、原則36回での支払いを求められています。
また、これ以外にも注意点があり、1年未満の取引の場合には48回も難しい状況です。
分割回数は取引期間が3年程度の場合には36回前後、4年では48回前後と取引回数によって決められます。
交渉次第ではボーナス払いも併用することが可能です。
返済回数が少ない人
アコムでは返済回数が少ない人(契約期間の短い人)は任意交渉に応じてもらえません。
また、厳しい和解条件を提示されることもあります。
ただし、これは顧客によって多少の考慮がなされるようで、例えば取引期間が短い場合でも今までの経歴が誠実であり優良顧客の場合にはある程度の交渉が可能です。
逆に滞納歴が複数ある場合や、現時点ですでに長期滞納が発生している場合には難しくなる傾向があります。
要するに、1年以内の取引期間の人は任意整理が難しく、また3年未満の短期分割決済という厳しい条件を求められるケースが多いようです。
多額の遅延損害金が発生している人
利息は借りた日から返済期日までに発生するものであるのに対し、遅延損害金は返済期日の翌日からお金を返す日まで発生し続けます。
遅延損害金は期日までに返済を行わなかったという約束違反、債務不履行により発生するもので通常の利息とは異なります。
二重で請求されることはありませんが、遅延が生じている間は利率が20%となります。
返済が一日遅れるごとに、遅延損害金が膨らんでしまいます。
多額の遅延損害金が生じている場合には任意整理に応じて貰えないことがあるため、返済不能となった場合には早めの対処が必要です。
アコムの特徴として、たとえ任意整理に至ったとしても、和解日までに生じた経過利息や遅延損害金の免除には応じてくれません。
アコムで債務整理するときの注意点
アコムは債務整理が厳しいと言われています。
しかし、全く交渉に応じてくないことはないので安心してください。
ここでは、アコムで債務整理を行う場合の注意点を紹介しています。
どのような形態で整理を行うのかにもよりますが、債務整理後の生活にも影響してくる内容も含まれていますので、事前にその対処を行なっておくことが大切です。
アコムが保証会社になっている銀行の口座が凍結されることがある
債務整理を行うと銀行口座が凍結されることがあります。
口座が凍結されてしまうと、預金を引き出せなくなるばかりでなく、公共料金の口座引き落としといった取引も全てできなくなってしまい生活に支障をきたしかねません。
口座凍結されてしまう理由については、借金と預金を相殺して返済を行うためであり、要するに預金口座から債権回収を行うことが目的です。
ただし、どの口座も全て凍結されるわけではなく、銀行が口座凍結できるのは自行のみのため、アコムの場合にはアコムが保証会社になっている銀行口座が対象になります。
また、アコムが保証会社になっている銀行のカードローンに借金がある場合にも、口座が凍結されるので注意が必要です。
信用情報の回復後もアコムから借入できないことがある
法的手続きである自己再生や自己破産を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されます。
いわゆるブラックリストといわれるものです。
また、官報にも公告がなされます。
これらのことは会社の信用情報にも記載されます。
信用情報機関の事故情報は5年〜10年で消えますが、社内の信用情報にはそのことが残り続けるのです。
また、任意整理は信用情報機関や官報には載りませんが、社内信用情報には記載されます。
アコムでは独自のブラックリストが作成されており、たとえ信用情報機関による信用情報が回復したとしても社内ブラックにより借り入れが行えない場合があります。
しかも、アコムだけではなく、アコムが保証会社となっている契約もできません。
ACマスターカードが使用できなくなる
任意整理であっても、アコムで債務整理を行うとACマスターカードが使用できなくなります。
今の世の中では、クレジットカードはネットショッピングや様々な支払いに使用されているので、生活をする上でなくてはならないものとなっています。
しかし、債務整理を行うとクレジットカードにも影響を及ぼすのです。
自己破産や個人再生の場合、信用情報に事故情報が登録されるため、たとえクレジットキャッシングなどの債務整理でなくても更新期限が来た際には使用不可となります。
ただし任意整理であれば、信用情報に登録されないので当該カードでなければ使用が可能です。
まとめ
借金の支払いが難しくなった場合には債務整理を行わなければいけませんが、アコムは任意整理が難しい会社として知られています。
確かに条件は厳しいのですが、全く応じないというわけではないので安心してください。
ただし、専門的な分野のため交渉は専門家に任せましょう。
また、交渉が難航する場合もあるため依頼にはアコムとの交渉歴のある専門家に依頼することが大切です。